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「出たよ此奴、。え、何A、今日見合いのやり直しの日にしようとしてたの?」
『、だって都合が合って、なるべく早い日って言ったら、そうなっちゃったんですもん』
「ふぅん。よくやるねぇ。まぁでも今日は無理だな。あ、このままずうっと先延ばしにしてバックれるのもありだね」
『ないです、!』
ケラケラ笑った乱歩さんを尻目に私は覚悟を決めた。姿勢を整えて、顔を合わせる。身体を起こすのがこんなにも辛く感じるのは初めてかもしれない。
『今日、お見合い行きたいです、ちゃんと解熱剤飲みますし、寝ます、!』
「…?行くわけないだろ。寝てて、ほら、解熱剤出したよ」
『えと、ちが』
「違わない。君の事だから早く断ってしまう為に都合の合う今日とっとと終わらせたいんだろうけど。行かせるわけないでしょ」
私がソファに正座をして口を開くも、一切相手にされず打ち切られてしまった。ぐうの音も出ない。
だって、熱が引くかもしれないし。早く終わらせたい。
今日の乱歩さんはいつもより起伏が激しい気がする。よく微笑むしちょっとピリピリする。
それもこれも、きっと、今私達は恋人だから。
そう、恋人だから。
『乱歩さんと一緒なら、熱でも、大丈夫ですもん』
「、……は?」
『ひっ、ごめんなさい』
「っ、嗚呼もうそんな殺人級の言葉を今吐かないでよ、今日はただでさえ調子が狂いそうだってのに!」
あれ。
あれ?
乱歩さんって思ってるより私に弱いのかもしれない。試しにちょっと攻めてみたら、ほんのり色付いた顔を手で覆って目を逸らされてしまった。
これはいける。
『解熱剤飲んで安静にします、それでも下がりきらなかったら諦めるので、駄目、ですか?』
「〜っ、お前、僕がその顔弱いのわかってやってるだろ、もう効かないぞ!」
『バレた』
「とにかく早く寝る!それから与謝野さんと僕で決める、分かったらとっとと飲む!」
『はぁい』
横目で乱歩さんの顔色を伺いながら薬を飲み込んだ。名探偵は耳を赤くしてジト目で強く携帯を打っている。
そんなに力を込めたら私の携帯壊れちゃう。
『乱歩さん、ありがとうございます』
「……行くって決まった訳じゃないからな。検討するってだけ、ほら早く寝て、連絡先消しちゃうよ」
『駄目、です!あと変な連絡の仕方しないでくださいね、』
「大丈夫大丈夫。僕が君を装うなんてどんな遊戯よりも簡単さ」
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ゅ - 1話の太宰さんの下の方から潰された蛙の様な声がするで笑ってしまいました、笑 (2023年4月22日 14時) (レス) @page2 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます!私は正直なところ今まであまり乱歩さんを意識したことがなかったのですが、この作品で沼にドボンしました……有難うございます!お疲れさまでした。 (2023年4月9日 23時) (レス) @page42 id: d368e0b18f (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - 梅原さん» わわ、嬉しいです!一緒に乱歩さんの沼にはまり落ちましょう……!! (2023年2月20日 19時) (レス) id: 05f2309d58 (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - モンブランさん» わー!嬉しい!ありがとうございます💕なかなか喋らせるのに苦戦してます…笑笑 (2023年2月20日 19時) (レス) id: 05f2309d58 (このIDを非表示/違反報告)
梅原(プロフ) - アニメ見て乱歩さんいいなと思っていた時にこの小説に出会いました。久々に面白いものが読めてテンションあがりました。。。 (2023年2月20日 19時) (レス) @page32 id: ecb93650e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小榛 | 作成日時:2023年1月8日 11時