『こんな日常は狂っている。』 ページ47
それから私は体の負担のかかりかたを考え、首領に異能力を暫く禁止された。
それから円舞の第二楽章、第三楽章も完成させた私達は
着々と任務への準備を進めた。
私は紅葉という人から女性としての振る舞い、言葉を学び、髪なども徹底的に手入れされた。
私は喋ることは殆どしなかったが、彼女は気にすることなく私に話し続けた。中也の小さい頃の話や首領に対する愚痴が多い気がしたが。
でも、私だって知っている。
さて、それは置いといて暇をもて余した私は龍之介がよく派手に怪我をするのでその治療をしたりした。相手は目を合わせてはくれないが、口をモゴモゴさせながらお礼を云ったりしてくるので、今度はもっと気を付けろよと云えば、ふんっ、と照れ隠しなのか云われた。
相変わらず太宰は居眠りで仕事をしないので、書類を少し進めてやる。隈が出来上がったその青白い人物に布をかけておく。少し位悩みを人に話せばいいのに。
でも彼が不器用で、我儘でしか甘えられない事を知っているので何も私は云わない。
中也も相変わらずで、成るべく自分で何でもやってしまう。
部下には優しいし、私にも笑顔で接してくれる。
情が深い割には敵には容赦がない。時々身に纏ってくる鉄のにおいがそれを表している。
こんな日常は狂っている。
ここは明らかな闇でもあるのに、その分ここにある光が一際明るいのだ。
任務前日、約束の満月の日に、私はまた海にいた。
『作之助!』
織田「...白、遅かったな。」
『少し手間取ってね。』
お忍びで来ている私は誰も私を捜さない時間に来る必要がある。特に太宰と中也は厄介だ。今日もなんとか来れた。
『なあ、作之助。』
織田「...どうした?」
『私なぁ、、、光が大好きで、特に夕日が好きなんだ。何故か分かるか?』
織田「...綺麗だからじゃないのか?」
『それもあるが...何よりも、月と太陽が出会える時間...っていうのは素敵だと思わないか?』
夜の光と昼の光が唯一出会える時間。
お互い触れることのない二つが唯一お互いの姿を見ることが出来るのだから。
織田「...じゃあ月は白だな。」
『えっ?』
織田「俺は赤毛だから太陽。お前は白いから月。...だろう?夕暮れにしか出会えないしな。」
『っくくく、そうだなっ..ふふ。』
織田「でも」
そう云うと彼は私の手をとった。
織田「俺達は、こうやって触れ合えるぞ。だから、少し違うな。」
『...そうだな。』
暖かい。
なあ 作之助。
私は、本当は
何も云わない私は
本当に弱虫だ。
拝啓、愛しい君達へ→←『疲れた時には思いっきり殴り倒したい』
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白い雪(プロフ) - 歩くん(声優の)の弟子になりてぇさん» 中也は母性的な皆のオカンです(( (2018年5月14日 22時) (レス) id: b06dc51979 (このIDを非表示/違反報告)
歩くん(声優の)の弟子になりてぇ - 中原様!いや!お母様! (2018年4月29日 12時) (レス) id: 03a9e9d04f (このIDを非表示/違反報告)
白い玉(プロフ) - 今私も思いました← ちなみにボイスだけのですが、ポートマフィアが温泉に行ったときは、芥川に対して存分にオカンっぷりを発揮していますよ!笑 (2018年1月28日 14時) (レス) id: b06dc51979 (このIDを非表示/違反報告)
狂夜 - 中也はオカンですね← (2018年1月28日 12時) (レス) id: f9f696dea3 (このIDを非表示/違反報告)
白い玉(プロフ) - 漆黒夜叉さん» ありがとうございます!!マフィアだと女子っぽいキャラは生き残れなさそうだなーと思った結果です(笑)すると花瓶を躊躇なく投げるキャラに← 更新頑張ります! (2018年1月25日 0時) (レス) id: b06dc51979 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い玉 | 作成日時:2018年1月16日 13時