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じゃあ初めからそう言ってよ、と自分勝手なことをぼやき、箸でつかみっぱなしになっていた揚げ物を頬張り、呑み込んでから宣言するように言った。


「やだよ。師匠がき●この山に土下座するまで帰らないもん!!あたし!」

「もん!!じゃねーんだよ。じゃあどうすんだよ。また路地裏で寝んのか?」

「真似しないでよ。大の大人の男が『もん』とか気持ち悪いんですけど。てかおじさんのお家部屋空いてない?貸してよ」

「ずうずうしくない?ねぇ、ずうずうしくない?」


2人がそんな会話をしていると、カウンターの奥から緑色の髪をした女性が出てきた。整った顔からは感情がまるで読み取れない。お登勢に透き通った平坦な声で話しかけた。


「お登勢様。すぐ迎えに来る、とのことです」


それだけ言って奥へ引っ込んでしまった。
お登勢は彼女に「ありがとよ」とだけ言って、頭の上に「?」を浮かべる子汚い女を向いた。


「良かったね。師匠が迎えに来てくれるそうだよ」

「え!?師匠が!?嘘なんで!?」

「さっきの子に連絡してもらったんだよ」


そう言ってお登勢は緑の髪の女性が引っ込んで行った方を指さした。

「やだやだやだ何てことを!!」と取り乱す女に、銀時はヘラリと笑った。


「良かったじゃねーか。迎えに来てくれるなんて良い師匠じゃねーか。もう家出なんてするなよ」

「やだよ見捨てないでよおじさん!!」

「誰がおじさんだ!!まだ20代だわ!!」

「あたしまだタケノコなんかに屈したくないんだよ!!」

「知らねーよ!!良いだろ別にタケノコでもキノコでも!!山にでも里にでもとっとと帰りやがれ!!」

「うまいこと言おうとしないでよ!!何もうまくないんだよ!!」

「うるせーよ!!」


すがりつく女に銀時はとりつく島を一切見せなかった。どうやら助けてくれる気配は一切無い。
そしてついに諦めたのか、銀時のうねった銀髪を見て。


「聞いてよ!!うちの師匠めっちゃハゲなの!!」


話題を変えた。


「なんだよイキナリ!!つかお前今俺の髪見て言ったな!!悪いか!!そんなに天パが悪いか!!」

「いや悪いとは言ってない。てかむしろ天パ良いと思うよ。オシャレじゃん」

「お前……」

「でね!!」

「オイこいつ今自分の話したいがためだけに俺のコンプレックスすげー雑な扱いしやがった!!死ね!!」

「口悪いと思う!!ダメだよ死ねとかこの腐れ天パ!!テメーが死ね!!」

「お前も言ってんじゃねーか!!」

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作者名:mire | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/  
作成日時:2020年10月10日 22時

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