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「どうしたもんかな〜」
「なんだよA。何持ってんの」
「チケット〜スイーツバイキングだって〜」
塾生の憩いの場であるテレビの設置された部屋で、昼のワイドショーを見ながらAと秋彦はそんな会話をしていた。
「似合わねぇモン持ってんなぁ。どこから拾ってきたんだ?」
「何だよそのもの言いは人を乞食みたいに!!貰ったの!バイト先で!!」
「ふーん」
「たまには息抜きに、師匠とか弟子仲間誘って遊んでこいだってさ」
「へー。でもこれ期限明後日までだぜ」
「ん?あぁほんとだ。どうしよ。空いてる日あったっけ師匠」
「無いだろ。師匠明日から地方で講演会だぜ。帰ってくるのは明明後日の深夜だよ」
「嘘……」
「こんな嘘つくかよ。つか留守番組でも自分の師匠のスケジュールくらいある程度把握しとけよ」
「秋彦が覚えてくれてるからそれでいいかなって」
「俺はお前の脳みそじゃない」
「う〜んどうしよこれ。みんな誘ったら来るかな」
「いきなり自分のいいように話題を変更するな」
この塾の生徒はA以外はみんな男だ。甘党なのは一二三とAくらい。
目の前の秋彦だって甘いものが特別好きな訳ではない。誘えば来るだろうが。
そう考えるとAへ渡すチケットとしては焼肉の食べ放題無料券の方が適していたとは言える。
「う〜ん。あたしのコミュニティに男しかないのが悔やまれる」
「その辺の道歩いてる女でも適当に誘えば?」
「やめろよ。なんでナンパを推奨してくるの」
「じゃあどうすんだよ。それゴミにすんの?」
Aは手元に視線を移す。どうしたもんかねぇと呟く彼女に、秋彦は相手をするのが面倒になったのか話題を変える。
「そういや俺今日買い出しなんだよね」
「へぇ」
「今日お前の担当なんだった?」
「知らん」
「風呂掃除」
「そうだったっけ?」
「朝一番に俺に押し付けてきただろ」
「そうだったっけ?」
「俺へのセリフをコピペで対応しようとするな。ごまかされねぇぞ。つーわけで今日の俺の買い出しの荷物持ち手伝え」
「え〜めんどくさ〜。いやすぎなんですけど。一人で行けばいいじゃん」
「働かざる者食うべからずなんだよ。ついこなけりゃたけ●この里ばっか買ってやる」
「はぁ!?行くわ。絶対き●この山を横からねじ込んでやる」
「へーへー。はよ準備しろ」
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作者名:mire | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/
作成日時:2020年10月10日 22時