【ヒロアカ】緋色の君はいつも、2 (ページ6)

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6.最終日ページ6

『私も同じようなことをしたから、飯田くんの気持ちが痛いほどわかるの』

飯田くんのことを思うと、私は彼を咎めることができないし、あまりにも胸が痛い

私の方が泣きそうな顔をして
飯田くんの肩をさすった

「雪白くん…」
飯田くんの瞳が揺れる

『ヒーローを目指す以上
私たちは守るものがどうしても多くなる。

相手を憎む感情を無くすって難しいことだけど、お互い、いいヒーローになれるように
一緒に頑張ろうね…！』

「…ああっ！」

やっと飯田くんは笑顔を見せた

その後少し二人で話した後、そろそろ帰るねと告げると

飯田くんに、二人の様子を見なくていいのかと言われたが寝ているところを起こすのも悪いし
お大事にとだけ伝えておいてと頼んでサーの事務所に帰った

それから職場体験は順調に進みついに最終日

『サー、私を呼んでくれてありがとうね。
サーの仕事してるとこ、間近で見れて嬉しかったよ。たくさん勉強になったし。』

「有意義な時間を過ごせたなら何よりだ。」

『仕事忙しいだろうけど体には気をつけてね

時間もあまりないかもしれないけど、たまには一緒にご飯食べに行ったりしようね。』

「お前のお父さんが許すか分からないな。」

『そこは無視で。』

サーはヒーローの仕事で最近は本当に忙しいそうで、ここ数日でそれは確信につながった

次会えるのいつなんだろう…

他愛ない話をしばらくした後
別れ際に私はたまらずサーに抱きついた

『じゃあまたね、サー。』

「…何をそんな寂しがる必要がある。
いつでも会える。」

そう言ってサーは優しく抱きしめ返してくれた

『サーいっつも忙しそうじゃん…』

「Aに会うためなら時間はいくらでも割く。」

それほど大切に思ってくれてるのか
私を…

何故だか別れがいつも以上に
名残惜しくて、寂しくて

サーのその言葉で泣いてしまいそうだったから急いで離れた

『じゃあ次会うまでにはもっと強くなってるから！』

サーは優しい眼差しで私を見つめ笑みを少しこぼし

「ああ、楽しみにしている。」

と言った

相澤先生のこと、鋭ちゃんのこと
悩みが消えたわけじゃない

でもたくさん元気をもらえた

また頑張ろうって思わせてくれてありがとう。