80話 ページ35
太宰side
太宰「……で、話しって何だい」
中也は不機嫌そうに睨みつけた。
中原「疑問形じゃない時点で、話しの検討は付いてンだろ。
……身体の調子は大丈夫なのかよ?」
真逆、中也に心配されるとはね……
太宰「別に……良くはないけれどね。
けど、君に心配されると虫唾が走るよ」
全く、私も素直じゃ無いものだ……
然し中也は、そんな私に何時もの様に食って掛かるでもなく、軽く一瞥すると溜息を吐いた。
そんな中也を見て、私は昨日の出来事を思い返していた。
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私はAちゃんを一人置いて、津河の本拠地である例の建物の前に来ていた。
太宰「……本当は、余り来たくは無いのだけれど」
戦闘の際、最も重要視されるのは相手についての情報量だ。
だから、こうして私が此処に来れば相手の情報を得られる。
然し其の分、相手に自分の情報を与える危険性も高まる。
太宰「一か八か……」
こんな賭け事の様な情報収集は柄じゃない。
けれど、今はそんな事は云っていられない。
慎重に情報を集めるには、余りにも時間が不足している。
それに、私は此の闘いに勝たねばならない。
絶対に
私は一歩を踏み出した。
と、其の時
―シュッ
何かが木の葉を掠める音がした。
次の瞬間には、其れは目前迄迫っていた。
拙い!
身体を横に倒したものの、其れは私の肩に刺さった。
鋭い痛みと共に、全身に痺れが駆け巡る。
肩に目を遣ると、細長い、針の様な物が刺さっていた。
「おやおや、誰かと思えば双黒の片割れですか」
少し離れた場所からの聞き覚えのある声に顔を上げると、
「未だ約束の時間には早いですよ?
フライングですか?」
太宰「……津河っ……か……」
津河は嬉しそうに笑った。
津河「私の名前を覚えていてくれたんですね。光栄です」
太宰「……厭でも覚えるさ」
すると、今度は不敵に嗤って
津河「では、此方もフライングさせて頂きます」
瞬間、目の前を赤い何かがチラついた。
真逆っ……
全身が痺れで殺られている今、とても其れを避けられそうにはなかった。
全身から冷や汗が吹き出てくる。
そして、其の予想は命中した様だった。
―銃声。
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咲姫(プロフ) - 紅夏さん» わああああ!楽しんでもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(><)ありがとうございます!!これからも頑張ります!! (2018年5月5日 9時) (レス) id: 53214a536b (このIDを非表示/違反報告)
紅夏 - 太宰さんんんんん!面白かったです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年5月4日 21時) (レス) id: 1b04687fdb (このIDを非表示/違反報告)
咲姫(プロフ) - ジュリさん» ふぁあああありがとうございます!期待に応えられるよう、更新めっっっっっっっっっっっっっっちゃ頑張ります! (2017年11月25日 11時) (レス) id: 88671b77e8 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - グバッ・・・ウヒョーーーー!!最高でしたよ!(≧∀≦)/更新めっっっっっっっっっっっっっちゃ楽しみにしてます!双黒かっこいい! (2017年11月25日 10時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
咲姫(プロフ) - 三毛猫さん» 語彙力……ですか……!?自分では語彙力ないと思っているので、そう言ってもらえるとすっごく嬉しいです!ありがとうございます! (2017年11月13日 6時) (レス) id: 88671b77e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲姫 | 作成日時:2017年4月10日 22時