【文スト】真冬の夜に太宰さんに会ったらトリップしちゃったんですが……(汗)Part2

６９話 ページ24

太宰side

−武装探偵事務所−

『お早う御座います！』

太宰「お早う御座います。」

今朝、出掛ける約束をしてから、Aちゃんは今迄見た事が無い位元気だった。
そんなAちゃんに対して、私の気持ちは暗く沈んでいた。
Aちゃんと遊びに行った次の日には、私は例の組織の男に会いに行かなければならない。
若し其処に中也が居れば、恐らく彼の組織を潰すことも出来なくは無いだろう。
けど、私独りで、一体何が出来るのだろう。
私は頭を使うのは得意だけれど、其れを行動に移すための能力は、明らかに周りの人間に劣っている。
頭の中の計画だけで終わって仕舞う私には、何も出来ないのでは無いだろうか……

『……太宰さん？』

色々と思考を巡らせていると、Aちゃんが心配そうに顔を覗き込んできた。

太宰「嗚呼、済まないね。
一寸ややこしい事があってね……」

するとAちゃんは『そうですか……』と、未だ少し不安そうに返事をしたが、直ぐにパッと明るくなった。

『それじゃあ太宰さん！
今度の日曜日に出掛けるためにも、ササッと仕事を片付けましょう！』

そんなAちゃんに、私は「そうだね！」と空元気に答えることしか出来なかった。

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