64話 ページ19
か……風邪……
太宰「今日はゆっくり休み給え。
探偵社の皆にも伝えておくから。」
うぅ……
本当に申し訳ない……
『す、すみません……』
すると太宰さんは、少し困った様な笑顔で云った。
太宰「そんなに謝らないでくれ給え。
何だか此方まで申し訳なくなって仕舞うよ。」
嗚呼、何て優しいんだろう……
『すみま………あっ』
また謝って仕舞った……
直ぐに謝って仕舞う自分に少ししょんぼりしていると、太宰さんがクスクスと笑う声が聞こえた。
『ちょっ、何で笑うんですか!』
少しムッとして云うと、太宰さんは目尻に溜まった泪を指で拭った。
太宰「否、だって、本当に表情がコロコロ変わって面白いから……
ふふっ……」
ま、まだ笑ってる……
私の顔、そんなに面白いかな……?
でも、太宰さんの笑った顔を見ていると、そんな事はだんだんどうでも良くなって来て、私も一緒になって笑った。
自分でも人を笑顔にする事が出来るんだ……
そう思うと嬉しかった。
太宰「却説、私は仕事に行こうかな。」
えっ?
だ、太宰さん……行っちゃうの……?
否、まあ、そりゃあそうだよね。
お仕事だもん……
我儘云っちゃあいけないよね……
『そ、そうですね。
行ってらっしゃい!』
私は無理に笑って云った。
本当は凄く寂しかった。
すると太宰さんが、面白そうな顔で云った。
太宰「あ、矢っ張り寂しがらないんだ……」
………はい?
太宰「Aちゃんの事だから、屹度心の中では物凄く寂しがってるんだと思うけど……」
そう云うと太宰さんはニヤリと笑った。
………絶対……絶対に云わせようとしてますよね?
「寂しい」って、云わせようとしてますよね!?
太宰さんは、断固として口を開かない私に近寄って来て座ると、笑顔でじーっと私を見つめた。
威圧感半端ないんですけどぉ!?
そんな睨めっこが数十秒続いたが、勿論、私が先に折れた。
『………寂しい……です……。』
すると太宰さんは満足そうに笑った。
太宰「それじゃあ、今日は看病の為お休みで♪」
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咲姫(プロフ) - 紅夏さん» わああああ!楽しんでもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(><)ありがとうございます!!これからも頑張ります!! (2018年5月5日 9時) (レス) id: 53214a536b (このIDを非表示/違反報告)
紅夏 - 太宰さんんんんん!面白かったです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年5月4日 21時) (レス) id: 1b04687fdb (このIDを非表示/違反報告)
咲姫(プロフ) - ジュリさん» ふぁあああありがとうございます!期待に応えられるよう、更新めっっっっっっっっっっっっっっちゃ頑張ります! (2017年11月25日 11時) (レス) id: 88671b77e8 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - グバッ・・・ウヒョーーーー!!最高でしたよ!(≧∀≦)/更新めっっっっっっっっっっっっっちゃ楽しみにしてます!双黒かっこいい! (2017年11月25日 10時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
咲姫(プロフ) - 三毛猫さん» 語彙力……ですか……!?自分では語彙力ないと思っているので、そう言ってもらえるとすっごく嬉しいです!ありがとうございます! (2017年11月13日 6時) (レス) id: 88671b77e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲姫 | 作成日時:2017年4月10日 22時