貴方と共に果たす復讐【荼毘】 (ページ18)

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トガ「荼毘くんて、Aちゃんのことになるとムキになりますよね」

荼毘「は？」

『え、そうかな』

トガちゃんの発言に頭を傾ける。

お互いの素性を話してから、荼毘さんは私と一緒にいてくれることが多くなった。

外に出たいなと呟けば弔くんに内緒で外に連れていってくれるし、個性特訓に付き合ってくれる日も少なくない。

別にムキになっているわけではないと思うんだけど...。

『私に対して少し優しいだけなんじゃない？』

ｽﾋﾟﾅｰ「俺にも優しくしろよ、荼毘！」

荼毘「めんどくせェ」

吐き捨てるようにそう言いながら、私を後ろからぎゅっと抱きしめてくる。

荼毘「俺はこいつが気に入ってるんだよ、なァA」

耳元で名前を囁かれて、思わず顔が赤くなる。

弔「おい荼毘」

弔くんの声が聞こえると同時に、私は荼毘さんから引き剥がされた。

弔「いい加減にしろ。最近Aと距離が近いんだよ」

明らかに怒っている口調の弔くんが荼毘さんと距離を詰める。

荼毘「ハッ、そろそろシスコン卒業した方がいいんじゃねェか？リーダー様よォ」

よく分からないけど2人の間にバチバチと火花が散る。

みんながいるのもお構い無しで激しく口論を始めてしまった。

...こうなるとしばらく終わらない。

Mr「あーあ、また始まったよ」

ﾄｩﾜｲｽ「2人ともうるせぇな！静かだ！」

トガ「Aちゃん、2人は置いといて向こうでお話しましょう！」

『そうだね』

呆れたようにそれぞれが散らばりだす。

攫ってきた子もいるのに何してるんだろと思いながら私はその場を去った。

2人の口論が終わり、そろそろ連れてきた奴も目を覚ますだろうから別室に移動しろと弔くんに言われた。

が、私は断った。

『危ないと思ったらすぐ逃げるし何もしないから！』

何度も必死にお願いしても弔くんは首を振ってくれなかったけど、

Mr「いるだけなら別にいいんじゃない？」

という助け船もあってようやく許してくれた。

『ありがとう、コンプレスさん』

私は弔くんに聞こえないよう小さな声でお礼を言っておいた。

Mr「全然。Aちゃんも毎回待機してるだけじゃ暇だろうしね」

仮面をつけているから分からないけど、笑いかけてくれたような気がした。

この時、私はまだしっかりと分かっていなかった。

＿＿＿こんなに優しくてもヴィランはヴィランなのだと。