2話 ページ4
少年は無表情で練習風景を見ていたのだが、Aは少年の目を見て、何か違和感を感じていた
(何だろこの人。なんだか何か・・何かに堪えているような感じが・・・気のせい、かな？)
Aは感じた違和感に疑問に思っていたが、河川敷の方から小学生の声が聞こえ、また目を河川敷の方に向ける
｢今度こそ俺が決めてやるー！見ろ、俺の必殺シュート！｣
小学生の1人がそう言うと、ボールを思いっきり蹴りあげ、ゴールに向かった
だが、ゴールに向かっていたはずボールがいきなり大きく曲がり、グラウンドの脇を歩いていた二人の男達の前ギリギリ通過した
｢っ、誰だぁー！！こいつ蹴ったのは！？｣
背の高い男が自分達の前を通過したボールを踏みながら怒鳴る
｢だ、大丈夫ですか！？すみません・・・｣
バンダナの少年は怒鳴る男にすぐ駆け寄り、ボールの事で謝った。すると顔を上げ、苦笑いしながらさりげなく言う
｢・・・あの、ボールを返して____うっ！｣
｢円堂君！｣
(っ！？)
｢・・・・・・｣
円堂と呼ばれた少年がボールを返してほしいと言おうとした瞬間、背の低い男がいきなり円堂の腹に足蹴りを喰らわした
その行動に上から見ていたAは思わず立ち上がって驚き、白髪の少年は目つきを鋭くさせた
辺りに緊迫した空気が流れる
｢ボールってこれかぁ？｣
背の高い男はドシンッとボールに座りながら、円堂を嘲笑しながら言う
｢あれぇ？雷門中じゃねえの。部員の全然いねぇ、弱小サッカー部ですよ｣
背の低い男が、円堂の着ているユニフォームの胸の部分を見ながら馬鹿にするように言う
｢くっだらねぇ。ガキ相手にたま蹴りか？｣
｢・・・・・っ！｣
Aは男達の発言や行為に我慢出来ず、グラウンドに降りていった
｢ちょっと、さっきから何なんですか貴方達！｣
突然聞こえてきたAの声にその場にいた者達か驚き、Aを見る
それに構わず、Aは言葉を続ける
｢その人はボールが当たりそうになった事をちゃんと謝っているのに、それを嘲笑って、オマケにサッカーまで侮辱して失礼じゃないですか！彼に謝って下さい！｣
円堂と円堂の同級生である少女、木野秋は見ず知らずの女の子が自分達のために怒っているのを驚きながら聞いていた
だが、怒りの矛先である背の高い男は一瞬だけ驚いた顔したが、すぐニヤリと笑いAをジーと見る
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作者名：月雲 | 作成日時：2017年4月3日 15時
