あゝ美しき月へ (ページ2)

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紹介ページ2

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彼はリリュヌ・ルヴルーノ。

剣士の家に生まれた月の加護を持つ正真正銘の剣使いであった。

彼の家系は特別で、「一国の王の側近」というのが家業だった。

しかし、「月の出ていない日に生まれた者はその家業につけない。」というのも、家の掟で。

彼は丁度〝新月〟の日に生まれたのだった。

彼の父親は王に気に入られており、

『私がもう貴方にお付きできなくなった時は、私の息子ががきっと良い側近になるでしょう。』

と王によく自慢したものである。

彼の父親は、彼が〝新月〟の日に生まれた事を大層悲しんだという。

彼が物心ついた時には、もう弟がとっくに生まれていて。
彼が3歳の時、彼の弟は1歳で。

彼の弟は〝満月〟の日に生まれ……

＿＿＿家業の後継者は決まっていた。

彼はそれでも優しくしてくれる父親が大好きだった。

父親本人も彼の事が愛しくてたまらなかった。

だから父は彼に、自分が大切にしていたセレーネの剣を彼に継いでもらった。

それを機に弟に家業も継いでもらった。

___ごくごく幸せな生活になる筈だった……

～*リリュヌ・ルヴルーノ*～

黒髪の肩までのロングをくくっている。

蒼い瞳をもち、しっかりもの。

剣の腕は国で一番。普通の大人ではまずかなわない。

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