53話 ページ6
非常に厄介極まりない。
限りなく、Aであることが厄介なんだ。
《悪》…悪意とは、非常に単純なもので、子供の無邪気さのようなものだ。
特に、一つの事しか考えられないような感じで単純。
今も、『俺に会いたい』それだけでこの有り様。
『俺に会えたので嬉しい』その感情のみだ。
他に何かの興味を持つ前に気絶させる事が1番手っ取り早い。
昔ならBEASTの興味が他に行かないように布で視界を遮っていたのに、どうも今回は使えないようだ。
相澤
『緑谷、まだ動けるか』
緑谷
『は、はい！蛙吹さんが助けてくれたのでまだ動けます』
相澤
『そうか。なら今から言うことを聞け。BEASTは一つの事しか考えない。今は興味が俺にある。手っ取り早いのは気絶させる事だ。わかるな』
緑谷
『相澤先生＿＿＿＿!!』
今は静かなBEASTに1歩ずつ近づく。
目で見ている間は剣が出てこない。それに、体内で生成される事も無い。
BEASTは剣を使う事しか今までして来ない。
なぜなら、剣を無しに修行をしていたのはAの方だからだ。
無意識に体は動くのかもしれないが、意識してハイスペックな能力を使う事はまずない。
剣が出ない事を不思議がっているBEASTの動きは実に単調。
ゴゥｯ
と、BEASTの後ろから伏せていた爆豪が蘇ってくる。
そうだ。そのまま打ち込め。
流石は俺の生徒達だろう。
俺が引き付けている間に衝撃を与えれば1番手っ取り早いのだ。
爆発が当たる瞬間。
パキパキっと目の前に氷が広がる。
轟も咄嗟の判断にしては流石という他ない。
爆風で上に飛んだBEASTに、建物から青い光が。
青山も陰ながらに攻撃を仕掛けたのだ。
注意が散漫になったBEASTに直撃した様でまた弾かれるように宙を飛んでいく。
BEASTもようやく事態が飲み込めたのか、待ち構えていた常闇と障子目掛けて剣を投げようとした。
もちろん、俺の目はBEASTを捕らえているため手からは何も出てこない。
障子の投げた岩を避けるように回避しても、常闇のダークシャドウが見逃さない。
上手い連携技だ。
後ろを見ずに引き下がったBEASTは、背後の切島に気づかず、呆気なく捕まった。
切島
『上鳴!!このまま俺ごとぶっぱなせ！！』
上鳴
『…よしっ!!ちょっと痺れるぜ!!無差別放電…！！！！！』
バリバリｯと強烈な雷音に痺れたのか、BEASTの動きが完全に止まった。
《つづく》
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月王子(プロフ) - かっちゃん様 コメントありがとうございます！そう言って頂けると凄く嬉しいです！とても励みになりました。これからも暖かい目で読んで頂けますと幸いです！ (2020年6月5日 22時) (
レス) id: 3b2a481344 (このIDを非表示/違反報告)
かっちゃん - めちゃくちゃ面白いです！1から一気見しちゃいました！笑相澤先生カッコよすぎるー！この先がすごく気になる！！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年6月4日 21時) (レス) id: 1736336eab (このIDを非表示/違反報告)
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