17粒 〜過去編〜 ページ18
貴(誰かしら…)
ガチャリとドアを開けるとゴツンｯと何かに当たった音がした。
ス「ふぇ……うぅ……」
そこにはまだ幼いスバルが両手で自身の額を抑えて泣きだしそうになっていた。
貴「ス、スバル！？ごめんね！大丈夫！？」
ゴツンｯって音はドアがスバルの額を強打したからだった。
泣き出しそうなスバルを抱えて部屋に入る。
まだまだ小さいスバルには勝手に入るという事が出来なかったのだろう。
でも、スバルも幼いといっても私達姉弟の中で1番下なだけで幼児なわけではない。
それでもスバルは私の前では凄く幼く見える。
貴「スバル大丈夫？痛かった？」
抑えてる手を額から離すと額がほんのりと赤くなっていた。
んーっとスバルが目を瞑っておでこを触られているのを我慢している。
その仕草が余りにも可愛くてスバルをぎゅーって抱きしめるとスバルもぎゅーっと抱きしめ返してくる。
ス「姉さんもう痛くないよっ」
ニコッと笑うスバルの目元にはまだ涙が滲んでいる。
本当、可愛い弟ね…
貴「スバルはどうして私の部屋へ？」
スバルの頭を撫でながら問いかける。
ス｢えっと…、母様がね、姉さんと舞踏会行きなさいって…｣
スバルのお母様、クリスタ様は少し変わったお人で…
スバルと距離を置きたがる。
いろいろ複雑な事情があるのよね…
貴｢そうだったのね、では行きましょうかスバル｣
ス｢うん｣
スバルの目尻に溜まった涙を拭いとり、走ってきたのか、少し乱れた服を正してあげる。
そして、小さなスバルの手を握って部屋を出た。
舞踏会のお部屋はキラキラしていて、舞踏会に来られている婦人達のドレスで更に煌めいている。
貴｢ねぇスバル。はぐれない様にちゃんと手を握ってて頂戴ね？｣
ス｢わかった｣
素直なスバルは握っていた手を少し強めにギュッと握った。
私はスバルを連れながら挨拶周りをする。
本当に長女とは楽なものではないのよねぇ…
さてと、挨拶周りもそろそろ終わりそうだし、もうすぐシュウとエドガーくんが着くはず…
キョロキョロと辺りを見渡すと人混みの中、レイジの後ろ姿が見えた。
よく見るとシュウもいる…？
人混みでハッキリとはわからない…。
貴｢スバル、あっちに行きましょうか｣
そう言って私はレイジ達の所へ向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 572人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりか(プロフ) - とても続きが気になります！！更新待ってます！！^ ^ (2020年7月7日 1時) (
レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
SM - ライトくんLOVE×無限 更新頑張ってください (2020年4月4日 20時) (レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
いなほ* - いつの間にか更新されついる…！！この作品好きです！これからも頑張ってください！ 応援してます！！ (2018年3月28日 14時) (レス) id: b24eaa9697 (このIDを非表示/違反報告)
アユムー - 本当に、この話好きです！１日で読んじゃいました！(笑)更新頑張ってください！ (2018年2月11日 7時) (レス) id: 1aa9ff3736 (このIDを非表示/違反報告)
白薔薇@スバルlove - なんて素敵な話しなんだ…もろタイプ(真顔)話しの続きがとても気になっていたのでコメントさせてもらいました！無神兄弟と夢主の絡みが見たい(´. .` )更新頑張ってください！ずっと待ってます♪ (2017年1月10日 23時) (レス) id: a75230426b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
