#27 ページ27
.
(tetsuya side)
男として
ミスを悟られないように、必死に平気な顔をする。
.
そうだ、話を変えよう。
「パジャマ、俺の服でいい?」
.
.
.
いいよ、でも、いやだ、でもなく
「え?!なんで泣いてんの?」
.
泣き声が返ってくるとは、困ってしまった。
.
とにかく早足で部屋に戻る。
ソファに座らせて、ティッシュを渡して。
.
泣かせた心当たりは・・・ないけど。
きっと俺が原因なんだろうな。
「・・大丈夫?」
喋らずに頷くだけ。
とりあえず大丈夫らしい。よかった。
「俺なんか変なこと言ったかな。」
・・・まあ、言ったけど。
俺の服着るの嫌だったとか?
あり得る。自分で言うのもアレだけど。
.
『・・んーん、ちがう、』
違うんかい。
ますます理由が分からない。
でもむやみに聞くのも違うし
そっとしておくことしか出来ない。
.
.
いつからかスースーと
一定のリズムが聞こえてくる。
寝てる。
「お風呂沸いたよ。」
.
せっかく下着買ってきたのに
結局そのまま寝るのか。
濡れたまつげのAちゃんにブランケットを掛けて
シャワーを浴びに行く。
.
「まだ寝とるやん。」
思わず声が出てしまうくらい
気持ちよさそうに寝てる。
さっきまでとは大違い。
.
さてと、おれも寝るか。
横で。
.
.
.
.
虫「てつや!いい加減起きろ!」
.
・・え?
なんて最悪な目覚めだ。
昨日はかわいいかわいい女の子とソファで寝たはずなのに
俺を起こしたのは小さい小さいおじさん。
.
「んー?Aちゃんは?」
驚いていつもより目覚めが良いじゃないか。
.
虫「今シャワー浴びとる。」
.
勝手にてつやの服着ていいって言ったけど良いよね?って。
うん、まあいいよ。
.
.
乾いた喉に水を流し込むために台所へ向かえば
.
『ざわくん、ズボンってどこにあるか知ってる?
・・あ、起きてたんだ。』
.
.
.
気まずそうな表情とか、格好とか、なにもかもが
かわいくて、堪らん。
.
.
前言撤回。
なんて最高な目覚めだ。
.
227人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴ - こんな素敵なお話が無料で読めるなんて…。。とても面白かったです!今から続編見てきます楽しみです! (2021年1月8日 21時) (レス) id: f511a09636 (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます!!橙さんのピュアピュアなお話はやはり良きですなぁ〜!今後のお二人にも期待ですね!!!素敵なお話をありがとうございました! (2020年12月19日 7時) (レス) id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ(プロフ) - はじめまして!小さい小さいおじさんに思わず笑っちゃいました!すれ違う2人の気持ちにギャンギャンしてます!これからも更新楽しみにしてますー!! (2020年10月27日 1時) (レス) id: 2797378088 (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - はじめまして(*^^*)新話がでるたびにニヤニヤしながら見ています(*´ー`*)緑推しですが、橙もいいですねー! (2020年10月19日 5時) (レス) id: 4e98ffd1fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ね子 | 作成日時:2020年10月16日 10時