◇２． ページ2
「あぁあ〜、鬱君いたぁ〜
もうっ、探したんだよぉ？」
甘ったるい声で鬱にべたべたと触る
好きではないものの、幼馴染にそうもされると苛立ってくる
黙ったまま見てると女と目が合った
すると黙って私の方に歩いて来た
あ、あ、これ以上近づかないでくださーい
2mくらい離れてたのに凄い香水の匂いしてたのにこれ以上近づくと死ぬ
てかもう、香水つけ過ぎてていい匂いじゃなくて臭い
うえっ
「ねぇ、あんた何様のつもりなの？
私の鬱君に近づかないで」
出たよ、ぶりっ子特融のイケメンを自分のもの扱い
てか私から近づいてないし
女の自分勝手な言い分と香水の匂いで死にそうになっていると横から引っ張られた
「あ、え、鬱君っ」
引っ張って来たのは鬱で、あの女の声など気にせず走った
暫く走って教室から遠ざかると普通に歩き出した
「げほっ、げほっ...」
香水の匂いを思い出すだけで気持ち悪い
「A大丈夫？
ごめんなぁ...」
「げほ、げほっ
...ん、大丈夫
別に鬱のせいじゃないし」
あの女が近くに居る時に少し口で呼吸したからか喉が痛い
元々体が香水拒絶する事が何回もあった
だけど、今回は何時もより酷い
鬱は咳が止まらない私の背中を擦ってくれたが一向によくならない
最悪...！
「...大先生、何やっとるん」
しゃがんでる私と私に合わせてしゃがんでる鬱の頭上から声が聞こえてくる
「ん？...ああ、ちょっとな
あの女関係で」
そう言うと金髪の人は「ああ、彼奴な」とあからさまに呆れた声でいった
「で？その女はなんなん？」
「彼奴と関係あんの？」と言って来た
鬱がさっきあった事を説明してくれている間に深呼吸をして咳をなんてかしようとする
鬱が説明し終わった頃は少し咳は出るが、普通になるまに回復した
「ほーん、災難やったな、あんた」
「は、はぁ」
適当に返して鬱に小声で聞く
「この人だれ？鬱の友達？」
そう言うと鬱は吹き出した
「「きたな」」
そう言ったと思うと金髪の人と声が重なった
重ねてくんなよ
「いやぁ、そう言えばAって周りに疎いもんな
そらシッマを知らんわ」
と言った
なんでよ
文句あんのか！？
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