六十 ページ12
苦笑して少しとぼけるうらたさん。続けやすいようになのかうらたさんが私の目を見た。まるでとんっと背中を押すように。
う「それで、気持ちは固まったわけ？」
「ん〜…、まだプリンくらいの硬さだけど、一応」
う「それでもいいよ。今はまだそれくらいがちょうどいいよ」
自分で決断するのって怖い。自分の考えを言葉にするのって怖い。
でも、変わる時だから。今が変われるチャンスだから。
罪悪感では成長できないから。
従って、後を追って、楽な方を選ぶんじゃなくて、見たい未来を選ばなきゃ。
お姉ちゃんがいない世界が今のリアルで、私は随分歳を重ねて大人になったんだ。
大きく息を吸って、たっぷり爽やかな空気を肺に入れた。
「………だ、誰かじゃなくて、私があなたを幸せにしたい。幸せにしていいですか」
う「…ははっw イケメンだなぁ、おまえは」
「ちょ、こっちは真面目に言ってるんですよ？」
う「ごめん」
「いやそんな真剣に謝んなくても……」
う「A」
「はあい」
う「幸せにしてください。俺も幸せにするで」
「……相変わらずカッコつけですね。めんどいって根をあげないでくださいよ？」
う「そっちこそ、アイドルうらたぬきじゃない俺も知っていって」
「知ってますよさすがに。どれだけの付き合いになると思ってるんですか」
う「こっから新しい付き合い方がはじまるんだから」
「たしかに。…何が変わるんですかね」
う「案外対して変わらなかったりしてね」
「それ意外とありそう」
う「でもまあ、変わっても変わらなくても、AはAだし俺は俺だし、それでいいんだよ」
「それで？」
う「うん」
「………それって、けっこう真理だね」
う「そうだね」
お互い見つめ合ってふふっと笑う。
若葉のように青々しくここから始まるんだ。けしてパーフェクトな人間ではないけれど、スターになれるような愛される素質はないけれど、何も忘れないまま、ちゃんと知ってるままで。
大人になったよ。
成長するために頑張ってみるよ。
ちゃんと覚えてる。抱えたまま進むよ。
重荷なんかじゃない。枷でもない。
今度はあなたを夢中にさせてみせる。
飽きない人生を歩んでみせる。
だから見てて、大好きなお姉ちゃん───
─────Fin
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ななき。(プロフ) - かんずめさん» コメントと完走ありがとうございます！いつもとても励みになってます！作品の更新を喜んでもらえていると思うとやる気がでて来ます！次作はなかなか挑戦的な作品になりそうです…喜んで貰えますように…… (2022年1月16日 20時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - ロツイナさん» コメントありがとうございます！返信が遅くなりすみません…汗 主人公ちゃんに共感する部分があったんですかね？！少しでもあなたに寄り添えるような作品になっていると嬉しいです！ (2022年1月16日 19時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
かんずめ(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品が好きすぎて、更新される度に嬉しかったです！今回もお疲れ様でした。次も楽しみにしています！ (2022年1月15日 19時) (レス) @page13 id: 6f646e69ca (このIDを非表示/違反報告)
ロツイナ - 続編おめでとうございます!この作品めっちゃ共感できて、大好きです…！これからもななき。さんのこと応援してます！ (2022年1月11日 22時) (レス) @page4 id: 05ff15d5eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2022年1月11日 15時
