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ブルームーン ページ5

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「私は嫌だ」

江「どうして、千里は女性ファンも多いよね。それに何があっても俺が守るし」

「知ってるよ。私のファンは優しい。私の幸せを願ってくれてる。拓也だっていざとなったらいつも助けてくれて頼りにしてるよ」

江「だったら……」

「だとしても、それとこれとは別問題だから。とにかくこの話は……」

江「……本気で言わないつもり?」

「………ごめん」




真っ直ぐ見つめてくる拓也の目が見れない。見つめ返せない。




『仕事があるから』




言い訳じみた事を残して、部屋を出てきてしまった。

分かっている。頭ではわかっているはずなのにどうしても体が動かない。怖い、辛い、苦しい、痛い。



扉を開けた先が暗闇だったら。

手を伸ばした未来が悪いものだったら。

私の選択で彼ら彼女らを傷つけてしまったら。



『もしも』に恐れて進み出せないでいる私を、彼は許してくれるだろうか。

マンハッタン→←サイドカー《Takuya side》



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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年5月7日 20時

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