四月の天使に叶え【江口拓也】

アキダクト《Ayane side》 ページ12

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綾「ねえ、絶対お互い好き同士だよね」

香「江口くんはわかりやすいけど、千里さん見えないからなぁ」




誰にでも優しくて、直ぐに仲良くなる。知的で、真っ直ぐで、すごく綺麗。白百合が咲くような笑い方をする。だけど生き方は男前で、芝居はとても魅力的。

それが私たちの先輩、卯月 千里さん。




綾「お似合いのふたりなのになんでくっつかないんだろ」

香「世間体……とか？」

綾「あー……お互いにトップクラスの人気声優だから……」

香「素直になったらいいのにね……どっちとも」

綾「まったくだね……」




江口拓也さん。スタイル良くて整った顔立ちをしている。お金持ちな上に歌も芝居もお上手な方。基本誰からもいじられてるけど、すごく優しい人だと思う。

そんな千里さんと江口さんは、もう10年来の友達らしい。



天才と努力家。

男前な美人さんといじられ先輩。

寂しがり屋と楽観主義者。



全く似てないふたり。だけど纏う雰囲気はとてもよく似ている。




香「………千里さん遅くない？」

綾「……確かに、もう10分近く経ってるけど」

スタッフ「先程の女性なら帰られましたよ」



綾・香「「え？！」」



スタッフ「『ごめん、私ちょっと急ぎの用ができたから帰るわ。会計はしてあるからふたりはゆっくりしていってね』と伝言を頼まれました」

綾「え、ちょ、千里さん？！」

香「私たちの分のお金を払わせてください〜！」




ほんっともう、かっこいいなぁ……！





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