ろくじゅうさん《sima side》 ページ15
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《sima side》
ゲームにも飽きていた頃、街に降りてセンラと飲みに来た。すると背の高い女性がふたりの男にナンパされている。よく見ると見知った人だ。
セ「あらら、Aさんやないですか」
志「まふくんが探してたけど、こんなとこにいてたんか」
セ「どう助ける？」
志「ん〜……」
……って考えてる間に何語かわからん言葉を話し、ナンパ男を撃退していった。なるほど、いつもこうやってんのか。
せっかくやしと飲みに誘い、近くの飲み屋にふらっと入った。カウンターバーに座って飲み物を注目した。
セ「にしても何してたん？あんなところで」
「あぁ、部屋から街を見たらすごく綺麗だったから見に来たんだよ」
セ「たしかに街灯が琥珀色で綺麗よねぇ」
「な、さすが温泉地って感じ。ちょっと昔話みたいだ」
セ「タイムスリップしたみたいよね。浴衣着て歩きたいわぁ」
「似合いそ〜。でも冬もいいかもね」
セ「あー、たしかに」
酒をくみかわすAちゃんとセンラ。会った時はバチバチに警戒心出しまくりだったセンラだけど、今は割と素って感じがする。
「志麻さん？どうしたんです？ぼーっとして」
志「え、あぁ、なんか不思議やなぁって」
「なにが？」
志「出会って〜……4ヶ月？で、一緒に旅行に行くことになるとはなぁって」
「たしかに……もう4ヶ月も経つのか」
セ「いい出会いやったよなぁ」
「ほんと。たくさんの出会いがあって、友達が出来て、こうしてふたりとお酒を飲んでる。人生何があるかわかんないよ」
志「世界回ってるとよくあることやないんか？」
「たしかにこういう初めて会ってその場で意気投合〜……みたいなのあったけど、なんか日本人と仲良くなるって久しぶりな気がしますよ」
セ「へぇ、日本人嫌いやの？」
「いや嫌いってわけじゃないよさすがに。でもわざわざ日本人と仲良くなることもないからねー」
それっきり会話はなく、センラはいつの間にか寝てしまった。
カランとグラスを揺らすAちゃんは薄く目を潤ませて、その瞳には照明の色がふんわりと写り込む。月並みな表現だけど、まるで映画のワンシーンみたいだ。いいMV撮れそう。
志「寂しいん？」
「え、何がですか？」
志「まふくんに友達が大勢できたこと、寂しいんかなぁって思って」
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2022年2月21日 4時) (
レス) @page41 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - コメントありがとうございます！言い回しに惚れられたなんて初めてで驚きです笑タイトル通り淡い色の作品にしたくて作ったので伝わってるみたいで嬉しいです！友達から始まる恋もいいですよね(^^)またどこかでお会い出来ることを願ってます！ (2020年6月26日 20時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ(プロフ) - ななき。さん» 作者さんの言い回しに惚れました…。多種多様な色の中の一つを描いたような物語で思わず一気読みしてしまいました…。不器用な2人が周りの人達によって変わっていく姿を見て、友達って大切なんだなぁって思いました。これからも頑張ってください！ (2020年6月26日 19時) (レス) id: b0d67d134f (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - LiLi Kaさん» コメントありがとうございます！感動していただけたなんてうれしい！はよくっつけ！ってなりながら書いてました笑 (2020年5月20日 19時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
LiLi Ka(プロフ) - すっごくよかったです！感動ものですね！泣きましたぁぁぁぁ (2020年5月20日 8時) (レス) id: ef0b88e85e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2020年4月9日 10時
