ストレイ・キャット・ラメントⅡ【歌い手】 (ページ3)

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ごじゅういち《mahu side》ページ3

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《mahu side》

ま「僕は、……僕は、怒っています」

そ「どうした急に」

ま「だって………まただいじょうぶじゃないのにだいじょうぶにしようとしてるから」

いつもそうだ。頼ってくれない。

ま「ミーちゃんはどっか僕と似てる気がしてました。陰キャの僕と明るくて友達も多いミーちゃんのどこがだよって感じだけど、人が怖いっていうの、僕も分かるから」

After the Rainが始動する少し前のこと、そらるさんが紹介してくれた。

『俺の友達。まあ、妹みたいなもん。仲良くしてやって？』

背が高くて、マスクをしてて、そらるさんの後ろにずっと隠れてた。それからそらるさんを通して話すようになって、歳が近いこともあり仲良くなって、いつも笑わせてくれる優しい人。

だけど時折見せる陰るような表情や、過去の話になると触れてほしくない姿を見ると、まるで僕を見てるような感覚になった。

似てるからこそ、分かることもある。初対面で敬語を使うのも、距離感が掴めなくて戸惑うのも、人がなかなか信じられないのも、すごくよく分かる。

ま「自分の一番弱い部分に触れられるのが怖い。自分の嫌いな暗いところを知られるのが怖い。そういうの似てるからこそ僕達は友達になれた」

『友達になってくれますか？』って言ったら、『もう友達だと思ってたよ』って笑ってくれたミーちゃん。最高の最高の友達だ。

ま「僕にはそらるさんがいる。うらたさんがいる。さかたんがいる。天ちゃんやルスくんがいる。他にも支えてくれる友達がいる。辛いよって言ったら励ましてくれるみんながいる。困った時は話を聞いてくれる人がいる。

……ミーちゃんにだっているのに、ミーちゃんはすぐに辛い部分は隠すよね」

頼らないことが確かな正解だと思ってて。
へらりと笑って受け止めることが正しいと思ってて。
自分の中で全部消化するまで待つのが当たり前だと思ってて。

そんなのが保つわけないのに。
いつか壊れるって分かってるはずなのに。