玖拾捌《urata side》 ページ50
サクラは彼の姿を見ると今まで1ミリも動かなかった口角を綻ばせた。
『ただいま、リンちゃん。会いたかった……』
夏『えぇ〜、サクは相変わらず甘えたさんだなぁ』
その男性にぎゅっと抱きつくサクラ。ずっと遠くにいた恋人に会った時のように、少しくぐもった嬉し泣いた声で言う。
『(人は、自分の行動を正当化するための理由を求めて生きている。人は、自分を肯定してくれる人間を選択しながら他人と接している。人は、自分が許されようとしている。誰かに。自分に。多数派に。
自覚があれ、無自覚であれ、周りを傷つけ傷つけられ、生き長らえている。判断、責任、理不尽………そんなもの私にはいらない。私が欲しいのは……)』
『だいすき、リンちゃん……』
夏『僕も〜、サクは大好きな大好きな幼なじみだよ〜』
『(私が欲しいのはリンちゃんを、───竜胆 ケイを生き返らせる分の魂だけ。そのためなら私はなんだってする。そう犯罪だって、人を殺すことだっていとわない。神だって天使だって世間だって敵に回す)』
夏『さあ僕に、今日の成果を見せて？』
『うん。………でも、もうちょっとだけ……』
『(例えリンちゃんの皮を被った悪魔を、利用したとしても───)』
夏『(馬鹿な人間。阿呆な女。分かってるくせに、それでもすがりついて……あぁ、なんて、可愛そうに……』
エンディングが流れ始め、ようやくハッと我に返る。いつの間にか30分程が経っていた。息の出し方、ブレスのタイミング、セリフの言い回し、感情の起伏……全てが規格外。
Aの声なのにAじゃない。Aの芝居なのにそう思わせない。たしかにAが演じているのに、Aの影がひとつも見えない。ほんとうの、ホンモノの、本気のAの芝居だ。
う「くっそ……なんで、今になってこんなの………」
どうやったんだって聞くこともできない。
どんな気持ちでしたんだって話すこともできない。
感想を言うことも、作品について語ることも、もうできない。
◆◆◆
※作者より
ここまでお読み下さりありがとうございます。
いよいよクライマックス手前ですね。
続編も何卒よろしくお願いします。
◆◆◆
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ななき。(プロフ) - るるるさん» そういう事でしたか！いえいえ、ご指摘助かるんでうれしかったですよ。他の作品もよろしくお願いします！ (2021年6月5日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - ると同一人物なんですけど、、、なんかこちらの端末のバグだったみたいで他の端末でみてみたら普通になってましたほんとに申し訳ない。。。 (2021年6月4日 23時) (レス) id: c7e16937c6 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - るさん» うぉっつ…ご指摘ありがとうございます…。どの話か教えて下さると大変助かりやす…。 (2021年6月4日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
る - 主ちゃんの名前Ａになってますよ(ﾎﾞｿｯ) (2021年6月4日 17時) (レス) id: 69a285c503 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ありがとうございます！応援を糧に精一杯最後まで頑張らせていただきますね！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年3月5日 13時
