玖拾参 ページ45
吐露した言葉が情けなさすぎて笑えてくる。あまりにも自分勝手で、独りよがりで、曖昧模糊で、腐敗したような声に夏樹は戸惑ったような顔をした。わたわたとカバンやポケットをさぐったかと思うと、夏樹はため息を着く。
夏「……はい、これ使って」
私にハンカチを差し出した。女の子に差し出すような柄じゃないだろこれは。ペストマスク柄ってどこで売ってんだよ。
夏「抱きしめられないんだから、泣かないでよ」
「泣いて、な"い"し"ぃぃぃ……」
夏「嘘じゃん」
あの日とは逆になってしまった。
「こんなめんどくさい女の親友やってるって君さぁ、変わってるって言われない？」
夏「めんどくさい人の相手はめんどくさいけど、他ならぬお前だからなー。しゃーなしよ」
「しゃーなしか、そうか……」
夏「そーれーに」
「それに…？」
夏「いっつも笑ってる気味悪い人間がこうやって泣けるって知れて面白がってるよ」
「最低かよ…w」
励ますことも蔑むこともしない。ただ自分を肯定してくれる誰かが、あの日の彼と今の私には必要だった。
夏「……落ち着いた？」
「………うん」
夏「で、これからどうすんの？」
これから？これからってなんだよ。もう決まってるんだから、感情をころし、しにゆくしかない。
夏「『君が望むなら、僕が叶えよう』」
「………！……ははっ、主人公かよ」
夏「俺らふたりで主役だろ」
欲しい言葉を欲しい時にくれる彼に、私がどれだけ助けられてきたか、カッコつけなくていい存在がいることが私をどれだけ救ってきたか、彼はどれくらい分かってるだろうか。悔しいなぁ。かっこいいぜ、まったく。
「………夏樹」
夏「ん？」
「親友として、式井 Aとして、ダブル主役の片割れとして、聞いてほしい話があるんだけど」
夏「なに？なんでも言ってみ」
夏樹はなんでも知っている。私が大して強くもないのに武装していることも、私がどれだけあの人に恋焦がれてたかも、私にはタイムリミットがあることも。
夏「………まかせて」
頼むよ親友、最後はせめて、華々しく。
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ななき。(プロフ) - るるるさん» そういう事でしたか！いえいえ、ご指摘助かるんでうれしかったですよ。他の作品もよろしくお願いします！ (2021年6月5日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - ると同一人物なんですけど、、、なんかこちらの端末のバグだったみたいで他の端末でみてみたら普通になってましたほんとに申し訳ない。。。 (2021年6月4日 23時) (レス) id: c7e16937c6 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - るさん» うぉっつ…ご指摘ありがとうございます…。どの話か教えて下さると大変助かりやす…。 (2021年6月4日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
る - 主ちゃんの名前Ａになってますよ(ﾎﾞｿｯ) (2021年6月4日 17時) (レス) id: 69a285c503 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ありがとうございます！応援を糧に精一杯最後まで頑張らせていただきますね！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年3月5日 13時
