漆拾壱《urata side》 ページ23
セ「聞いてほしいん？」
志「聞かないでほしいけど、ふつう聞くだろ？」
セ「志麻くんは拒否しても聞きそうやねぇ。彼女に関してはとくに」
志「聞く。そうすると怒るし、照れるし、泣くし」
う「え、あいつが？」
志「うん」
あのAが泣くって……。Aイコール笑顔が共通認識としてある。そりゃあほうけていたり真面目な顔をする時だって仕事場にいたら見たことあるけど、それでも涙は一度だって見た事がない。
いや、そう言えば公園で、あの時も志麻くんが……。
セ「いが〜い。ぜったい隠しそう」
志「最初はそういう時諦めてた。あの子相手に合わせることが恋愛だと思ってるから」
そのAが感情の波を動かしてるってことは、それだけ志麻くんに素を見せてるんだろう。
志「………でも、一番やばい時はぜったい見せない。見せられたことない」
セ「あー、それはぽいね〜」
志「もっと頼ってほしい……って、今落ちてるおれが言えることじゃないけど」
セ「似たもの通しやねぇ」
志「うん……」
秘めて、隠して、しまい込む。笑って、誤魔化して、なかったことにする。確かにふたりは似てる。自分が濡れるのもかまわず、泣いてる人に傘を差すような人たちだから。
それからしばらく雑談していると、だんだんいつもの志麻くんが戻ってきた。
う「あいつら、遅いな」
俺の言葉に、ふたりは壁掛けの時計を見上げる。
セ「坂田のことやから寄り道してるんちゃう？」
う「ありそー。Aぜったい振り回されてるやつじゃん」
志「いや、なんなら一緒にはしゃいでるまである」
セ「それや。Aさんノリええし」
う「たしなめられてるか、吹っ切って遊んでるかだな」
セ「あいつちゃんと帰れるよなぁ〜」
短い沈黙が流れ、志麻くんがポソッと呟いた。
志「………坂田、なんでついてってくれたんだろ」
セ「それは志麻くんがひとりは危ないって言ったからじゃ？」
志「……自分で言うのもなんだけど、あの状況で？………嫌われてる？」
う「なわけないだろ。あいつ志麻くん大好きだし」
志「そう？」
セ「センラもうらたんも、ファンも、志麻くん大好きやで？」
すると、志麻くんは少し俯いた。
志「………愛されてんのが分かるほど、逃げたくなる時ってない？それに一人ぼっちになるのは嫌だけど、そっとしておいてほしい時とか」
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ななき。(プロフ) - るるるさん» そういう事でしたか！いえいえ、ご指摘助かるんでうれしかったですよ。他の作品もよろしくお願いします！ (2021年6月5日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - ると同一人物なんですけど、、、なんかこちらの端末のバグだったみたいで他の端末でみてみたら普通になってましたほんとに申し訳ない。。。 (2021年6月4日 23時) (レス) id: c7e16937c6 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - るさん» うぉっつ…ご指摘ありがとうございます…。どの話か教えて下さると大変助かりやす…。 (2021年6月4日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
る - 主ちゃんの名前Ａになってますよ(ﾎﾞｿｯ) (2021年6月4日 17時) (レス) id: 69a285c503 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ありがとうございます！応援を糧に精一杯最後まで頑張らせていただきますね！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年3月5日 13時
