弐拾伍 ページ26
「『…ごめん、また迷惑かけた、よね？ …邪魔するつもりはなかったんだけど、ひと目見たくて……。あんな言い方したけど私だって分かってるよ？バレンタインに忙しいのは当たり前だよね。お菓子屋さんだもん。だいじょうぶ、分かってる…から…っ…』」
う「『………ほんとは、おれだって一緒にいたかった』」
「『えっ…？』」
う「『お菓子屋にとっての今日はいつも誰かの幸せを手助けする日だった。でも去年の今日、君に告白されてからおれの特別な日になったんだ。………これ』」
「『これは？』」
う「『一年記念のプレゼント』」
「『………貰えると、思ってなかった』」
う「『ずっと一緒にいれなくてごめん。仕事ばっかでごめん。寂しい思いさせてごめんな？』」
「『私こそわがままばっかでごめん！……これ、君のチョコとは程遠いけど、作ってみたの』」
「【チョコレート】×」
う「【若きパティシエ】」
「『明日はずっと、そばにいてね？』」
う「【ラピス・デ・ラビオス】の提供でお送りしました」
「せーの「チョコレートで口づけを……」」
監督「カットー。確認しまーす」
ほんとまじで、まじで心がもたない……。
残るは3回。さんかい、3回ね………3回も持つか…？！
う「なに百面相してんの？」
「え、いや、んーん、なんも？」
う「………変なやつ」
「ぐっさぁー。マジトーンで少ない文字は痛いですよ〜」
う「むしろイタイのはお前なんだけどな」
「おぉ〜！……上手いこと言ったとか思ってないよ」
う「もう『おぉ〜！』って言っちゃってたから」
「だめかぁ……」
そこでようやくふふっと笑ううらくん。口元に手なんて当てて、女の子みたいにかわいらしい……って、他の人なら思うんだろう。私はいちいち心臓を撃ち抜かれているけれど。
気を確かに持て。終わったら飲み会でも誘って…ってうらくん飲めないじゃん！……だめだ。思考がまとまらない。
頬をペチンと叩くとディレクターブースからの音声が入った。
監督「ふたりとも休憩するかー？」
「あ、だいじょうぶです！」
う「休ませます」
「え、疲れました？お水買ってきましょうか？」
う「あほか、お前だよ」
監督「休ませろ休ませろw」
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ななき。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» コメントありがとうございます！こちらこそです照 今回のお話もなかなかに回りくどいのでたんまり悶えちゃってください笑 よろしくお願いします！！ (2021年2月21日 19時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - 新作おめでとうございます！！素敵な作品をいつもありがとうございます！ななき。さんの描くストーリーがもう、悶えるくらい好きです！！更新頑張ってください！ (2021年2月19日 22時) (レス) id: 95d0968963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年2月19日 22時
