弐拾壱 ページ22
「くろちゃんから見て、歌い手のみんなってどんな感じ？」
猫「歌い手のみんなかぁ……」
くろちゃんはしばらく言葉を口の中で転がすと、至って真剣に呟く。
猫「んー、運命共同体、かな。友達って簡単には言い表せない、苦楽を共にした仲間たち。あいつらも頑張ってるからわしも頑張ろうって思えるし、きつい時は無理すんなって背中摩ってくれるような優しさもあって……。たらればの話に意味なんてないけど、みんながいなかったらとっくに辞めてると思う」
「そっか……」
猫「たぶんやけどね。わし頑固やし、あいつらの分までって食らいついてるかもしれん。しっきーちゃんは？みんなはどんな存在？」
「………きれい、だよね」
猫「きれい？」
「すごく、きれい。私って割とどこにでもとけ込めるんだけど、あそこにだけは入れてって言えない。混ぜてって行けない。……とか、女々しいこと思ってたり？」
猫「しっきーちゃん……」
「ちょっと変なこと言っちゃった。楽しい話しようか。んーっと」
年上の余裕ってやつだ。後輩にカッコつける時と同じ。くろちゃんはすごく素直でさかたんとリンクして見える部分がある。
私のカッコつけはもうディフォルトだと思う。特に可愛い子の前ではすぐやっちゃう。センパイに似たんだろうなぁ。
「ぁ…ごめん、ちょっと電話でてくるね」
猫「いってらっしゃーい」
「……はい、もしもし？ うん、うん……分かってるよ。明後日でしょ？え、相手が？おぉ、誰になったんですか？なっちゃん？拓也さん？それとも…え、………は？」
現実主義の私だが、この時ばかりは夢じゃないかと疑った。フラフラと席に戻ると、くろちゃんがきょとんと私の顔を覗いた。
猫「おぉ、おかえり。どしたんしっきーちゃん、ぼうっとしてないか？」
「くろちゃん、ちょっと私の頬つねってくれない？」
猫「え、この美人な顔をわしにつねれと？」
「お願い」
猫「じゃあまあ……えいっ」
「いたっ…」
猫「ごごごめん！平気か？！冷やすか！？」
「いや痛くていいの。痛くて………痛いんだよなぁ…」
夢かと思ったけどどうやら本当のようだ。何がどうしてこうなった状態……ほんとどうしよう。
猫「しっきーちゃん、あの、顔が……ゆっるゆるやで？」
「え？あー、緊張と興奮でナチュラルハイになってるかも」
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ななき。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» コメントありがとうございます！こちらこそです照 今回のお話もなかなかに回りくどいのでたんまり悶えちゃってください笑 よろしくお願いします！！ (2021年2月21日 19時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - 新作おめでとうございます！！素敵な作品をいつもありがとうございます！ななき。さんの描くストーリーがもう、悶えるくらい好きです！！更新頑張ってください！ (2021年2月19日 22時) (レス) id: 95d0968963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年2月19日 22時
