名前なんて ページ7
「にしても驚いたよ。沙織がこんな可愛い子とお友だちなんて」
い「私も驚きました。Aさんみたいなきれいな方と沙織が仲いいなんて」
はきはきとした可愛らしい声。笑うと小さなえくぼができる。
沙「ちょっとおふたりとも。じゃっかんわたしをディスってない?」
「ないない」/いのり「ないよ」
沙「ほんとうかなぁ……。あ、おふたりはでーとなんですか?」
歩「さー、どうかなー?」
「思わせぶりなこと言うな。普通に帰る時間が同じだっただけだよ。あとここのアイスクリーム屋を教えてもらおうと思ってね」
沙「なーんだ。江口せんぱいと別れたらしいとか、新しい彼氏が出来たとかいう噂たってたけど、ガセなんですねー」
い「江口せんぱい?」
沙「学校で五本の指に入るいけめんさんよ」
い「へぇ、わー、ほんとだかっこいい。Aさんの彼氏さんなんですか?」
「ちがうよ、拓也とはそもそも付き合ってないから別れたっていうのもガセ」
沙「えぇー?じゃあ誰とも付き合ってないんですか?」
「悲しいことにね」
わざとらしく泣き真似をすると、村瀬くんが私の肩に手を置いた。
歩「大丈夫、いざとなったらオレが貰ってあげる」
「やかましいわ。……別にしばらくそういうのはいいんだよ。面倒臭いし今は今で楽しいし、……と、友だちいるしさ」
沙「かわいい……」
「は?」
沙「せんぱいって、クール!高嶺!美人さん!クール!……って感じだったんですけど、最近なんだか柔らかくなりましたよね」
い「そうなの?」
沙「うん。かわいくなったって言うか、雰囲気が優しくなったって言うさ。まあ絶対的美人って言うのは変わんないんだけど」
い「へぇ、うちに来たらもれなくモテそう」
歩「うちでももれなくモテてるよね〜。告白した人は数しれずだし、先輩後輩恋愛友愛問わずにさ」
「もーいいって。そろそろ帰るよー」
全員「はーい」
下に溶けたアイスクリームと、アプリコット色の空。もうまもなく月が出て、日が沈むまできっとすぐだろう。
最近気持ちが軽くなっていくことが多い。本音というものを口に出しているからだろうか。それとも………。
いいじゃないか別に。理由を探さなくていい。なまえをつけなくてもいいだろ。楽しい……それでいい、今は。今くらいは。
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ななき。(プロフ) - ゆゆさん» すみませんみおとしてましたぁ!!コメントありがとうございます!亀更新になるとは思いますが、気長に待ってくれると嬉しいです!よろしくお願いします! (2020年11月15日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 昨日知り、全部読まさせて頂きました!更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年5月25日 14時) (レス) id: 2487ef8f40 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 春さん» ありがとうございます!長くなるとは思いますがよろしくお願いします!がんばりますね! (2019年12月30日 17時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続編おめでとうございます!これからも楽しみにしてます!! (2019年12月27日 15時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年12月27日 9時