僕らの箱庭 ページ41
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小さい頃よく3人で遊んでた公園。ブランコと砂場、それから街灯がひとつしかない私たちの小さな箱庭。
大きくなった私たちにはあの頃よりさらに小さく、あせて見える。
良「………どうだった」
「なにがー?」
良「裕貴とだよ。なんか話せたのか?」
「そうだねー。まあ、学校のこととか、将来のこととか……あ、良ちゃんの恥ずかしい話とかしたよ」
良「はぁ?……じゃなくて、その…あれのことは?」
「……あはは。言ったじゃん、もうだいじょうぶ。そのうち裕貴くんよりずっとずっと素敵なひとを見つけて、楽しい恋をするよ」
良「……ふーん」
「だからもういいよ。そんなに気を使わなくても、わざわざ昔に合わせて口調変えるのも、だいじょうぶだから。ごめんね?」
良「…………ばかじゃねえの」
「ひどっ!良ちゃんは昔っから口悪いよねー。……でもまあ猫っかぶりよりはましかな。あれはちょっと怖いし。敬語になっちゃうレベル」
真面目に最初誰かわからなかった。
良「………ほんとにあいつのことはもうすきじゃないの?」
「すきだよ。だいすき。だって私のお兄ちゃんだもん」
良「……言い方を変える。あいつのこと、諦めるのか?」
「……告白したよ、2回もね?でも2回とも『大好きな妹』って返された。それが答えだよ。裕貴くんには綺麗で可愛い彼女がいるし、私もなんだかもう吹っ切れたし」
良「ほんとに?」
「ほんとに。なによりやっぱ、裕貴くんはお兄ちゃんなんだよ。すきだし、好きだけど、付き合いたいってあんまり思わない。思えば最初っからそうだったのかも」
良「………」
「恋は盲目ってこういうことを言うんだろうね。好き好きって気持ちが前のめりになって、その先が想像できなかった。まあ、初恋ってそんなもんだよねw」
良「………恋は、盲目かぁ…」
たったひとつの街灯に、揺れるふたつのブランコ。良ちゃんはそう呟くと、それっきり黙ってしまった。
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ななき。(プロフ) - ゆゆさん» すみませんみおとしてましたぁ!!コメントありがとうございます!亀更新になるとは思いますが、気長に待ってくれると嬉しいです!よろしくお願いします! (2020年11月15日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 昨日知り、全部読まさせて頂きました!更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年5月25日 14時) (レス) id: 2487ef8f40 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 春さん» ありがとうございます!長くなるとは思いますがよろしくお願いします!がんばりますね! (2019年12月30日 17時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続編おめでとうございます!これからも楽しみにしてます!! (2019年12月27日 15時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年12月27日 9時