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海の月 ページ37

▪▪▪





「きれぇ……」

良「そうだな」

「クラゲって、海の月って書くらしいよ?確かに月みたいに綺麗だね」

良「こんなにいくつも月はいらねぇけどな」

「夢がないなぁ良ちゃんは。いいものはいくらあってもいいんだよ。……あれ、裕貴くんは?」

良「さっき飲み物買いに行ったよ。お前は魚に夢中で聞こえてなかったみたいだけど」

「しょうがないじゃん。水族館なんて久しぶりだし、なんかワクワクするよね」

良「俺は全然楽しくないけどな」

「………ごめんって。これで多分最後だよ。ふたりが大学生になればどんどん疎遠になっていくだろうし、私も素敵な彼氏を見つけて、ふたりのことはいい思い出に……」




ガラスに指先をつけ歩く。

小魚が郡をなし、きらびやかに泳ぐチョウチョウウオやオコゼ。ウミガメがスイスイと海藻をかき分け、大きなマンタがちょうど真上を通り過ぎる時、良ちゃんのつぶやく声が聞こえた。




良「……っ、俺は、疎遠にも思い出にもなりたくねぇよ」




ドンッ、と強く押されて後ろにいたはずの良ちゃんが見えなくなる。




「ちょっ、良ちゃん!良ちゃん!」

良「ダメな──でゴメンな?ダメな────でゴメンな……。やっぱ──らんないわ、──のこと……」




人の群れに流される隙間、良ちゃんの声が途切れ途切れに聞こえる。




(良ちゃん……、良ちゃんどこ…?)




その瞬間、グイッと引っ張られ人の少ない方へ連れていかれる。




梶「……っと、大丈夫?Aちゃん」




そこにいたのは、裕貴くんだった。




梶「姿が見えたと思ったら流れてくるんだもん。びっくりしちゃったw」

「う、うん」

梶「良平くんは?」

「はぐれた」

梶「そっかー」




「<15:00から始まるイルカショーまで、あと10分です。メインステージまで起こし下さい。繰り返します。15:00から始まる───>」




梶「イルカショーだって。行ってみようか?」

「あ、うん。そうだね。せっかくだしね」

梶「何イルカだろうね。楽しみだなぁ」




良ちゃんどこに行っちゃったんだろう。

建前だらけ→←断じて違うから



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ななき。(プロフ) - ゆゆさん» すみませんみおとしてましたぁ!!コメントありがとうございます!亀更新になるとは思いますが、気長に待ってくれると嬉しいです!よろしくお願いします! (2020年11月15日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 昨日知り、全部読まさせて頂きました!更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年5月25日 14時) (レス) id: 2487ef8f40 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 春さん» ありがとうございます!長くなるとは思いますがよろしくお願いします!がんばりますね! (2019年12月30日 17時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!これからも楽しみにしてます!! (2019年12月27日 15時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年12月27日 9時

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