三月のクローバーコレクト 3【声優】【学園モノ】

夜中なのに… ページ10

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＜ブブッ、ブブッ……＞




はっと目を開けて、震えた携帯を取る。時計は真夜中を記していた。いつの間にか眠っていたみたいだ。




「なに……」




メッセージを開けると、そこには普段全く連絡がない父からだった。前の連絡は『仕送りを使いなさい』を既読無視して終わっている。




〔正月には帰ってくるのか〕




絵文字もスタンプもない端的でシンプルな一文。夜中の12時に娘に送ってくるメッセージではない。




〔多分帰らないと思う〕




………既読がついたまま返事が返ってこない。携帯をベッドの橋に置くと、ゴロンと寝返りをうち目を閉じた。




＜ブブッ、ブブッ……＞




〔そうか〕




一時間経ってたった三文字……。遅いにも程があるだろ……。




〔うん〕




＜ブブッ、ブブッ……＞




〔実は母さんが〕




また一時間後……。今どきご老人でもこんなに遅くない。




〔母さんがどうしたの？〕




＜ブブッ、ブブッ……＞




〔一時退院出来ることになったんだが〕




「………母さん、が……？」




母さんは私が物心つく頃から入退院を繰り返していた。……が、私が高校に入ったころからはずっと入院していたはずだ。

中学までは毎日のようにお見舞いに行っていたけれど、高校に入りバイトが忙しくて行けていない。




〔そう〕




＜ブブッ、ブブッ……＞




〔母さんは帰ってきて欲しいと言っていた〕




＜ブブッ、ブブッ……＞




〔私は忙しいなら無理に帰ることも無いと思う〕




……なんだこの感情が読み取りにくい文は……。




〔バイトが休めたら帰るよ〕




また止まった……。もう寝よう………。

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