友達になってください ページ47
てんてんと跳ねるボールを拾うと、賢章は私の前にスっと手を伸ばした。
賢「友だちになってください」
「……そんなんで、いいの?」
賢「そんなんじゃないよ。ずっと友だちになりたかった」
「そんなの、お願いじゃなくても聞くよ。……私の方こそよろしく」
賢「ありがとう!」
ニカッと笑う賢章の笑顔は眩しくて、少しそっぽを向いて手を握った。
賢「あ、今のがお願いじゃなくてもいいならもうひとつあるんだけど」
「はぁ、なんだよ。友達記念になんかくれって?」
賢「じゃなくて、拓也くんのこと」
「拓也?拓也になんかあげるの?」
賢「拓也くん、最近なんか悩んでるみたいなんだよね。Aちゃんちょっと相談乗ってあげてよ」
「私が?あいつが話すとは思わないけど…」
賢「そんなことないって。頼んだよ?」
「………わかった」
??「賢章くん、おまたせ」
賢章が呼ばれて振り返る。そこに居たのはグレーのチェックスカートにチョコレートカラーの襟付きマントを着ている可愛い女性。
賢「あ、香菜」
「カノジョさん?」
賢「そうだよ。香菜、こちら同じ学校の花月 Aさん」
香菜「はじめまして、花澤香菜です。…えっと、花月さん」
「はじめまして、けんしょー君の友だちです。Aでいいですよ?けんしょー君にはもったいないくらい綺麗な方でびっくりしました。今度お茶でも行きませんか?」
香菜「え、えぇ…?!じゃあ私も香菜で……」
賢「人の彼女かってに口説くなよ……お前そんなキャラだっけ?良平先輩みたい」
「うわ、さいあく。それはさいあく」
良「なんだって?聞き捨てならないなぁ」
恐る恐る香菜さんの後ろを見ると、ロングカーディガンを羽織って手を振っている良平先輩が立っていた。
「良平先輩?!なんでここに……」
良「んー?いやぁ、Aちゃんの声が聞こえたからさ〜?」
香菜「良平さん、さっきぶりです」
良「香菜ぼうの彼氏って賢章だったのか」
香菜「はい、良平さんの言ってた『A』ってこちらの方だったんですね」
賢「なになに、知り合い?」
良「バイトの後輩」/香菜「バイト先のせんぱいだよ」
「へぇ、世界は狭いですね」
賢「なぁー、びっくりだよ。……っと、そろそろ映画の時間、行かないと」
「おう、デート楽しんで。香菜さん、ぜひまた今度」
香菜「ま、またね!……良平さんも、お疲れさまです!」
良「おつかれ〜」
「………じゃ、私もこれで」
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ななき。(プロフ) - 春さん» 春さん!いつもご覧くださりありがとうございます!こちらこそこれからもよろしくお願いします(^^) (2019年11月28日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続編おめでとうございます!めっちゃいいです!!これからも楽しみにしてます!(^-^) (2019年11月28日 17時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年11月27日 16時