寝苦しい夏夜 ページ40
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懐かしい夢。まだ私たちが3人でいた頃の夢だ。
世界が色で溢れていたし、絶やすことなく会話をしてた。不安に思うことなく明日の約束をして、希望に満ちた未来の話をしてた。
それがいつからだろう。2人を避けるようになったのは……。
私たちはいわゆる、幼なじみというやつだった。
私が六歳の頃に引っ越してきて、隣が──くん。その隣が良平先輩の家だった。
引っ込み思案だった私の手を引いて、遊びに誘ってくれたのは──くん。
思いっきり背中を押して、家から連れ出してくれたのは良平先輩。
次第に仲良くなり、休みの日は一日中遊び回ったり、お互いの家に泊まりに行くのもしょっちゅうだった。
私が困っている時、つらい時、苦しい時、ふたりはいつも駆けつけて助けてくれた。
優しくてふわりと笑う──くんと、元気ですぐからかってくる良ちゃん。私に兄弟はいなかったけれど、私は本当の兄のようにふたりを慕っていた。
月日は流れ、2人が2年生、私が1年生、私たちは中学生になった。
心も体も、Aりの環境も考え方も、色んなことが少しづつ変わっていって、追いつけなくて、追い越されるのを怖がって、必死で背伸びをして、大人ぶって。
歳は取っているのに、体は成長しているのに、子供の頃はできていたことがなかなか出来なくなっていく。
例えば『素直でいる』とか。
いわゆる思春期と言うやつに、とにかく振り回されていた。
そうあれは、夏休みの宿題を、──くんの家で集まってしていた日のこと、良ちゃんは突然こんなことを言い出した。
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ななき。(プロフ) - 春さん» こちらにもコメントありがとうございます!これからも気長にお付き合い下さい! (2019年10月20日 13時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 新作おめでとうございます!応援してます!(^-^)v (2019年10月20日 10時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年10月19日 21時