遠い屋台の光 ページ36
しばらく歩き、花火大会会場に着く。きらびやかな浴衣を来た人たちが大勢行き交い、さまざまな屋台が立ち並んでいる。
「いい匂い…」
良「何食べたい？協力してもらってるお礼に奢っちゃうよ？」
「え、ほんとですか？じゃあー、たこ焼きとりんご飴かな」
良「…ふw」
「なんですか、子供っぽいって思ってます？」
良「うんん、変わんないなって思っただけ。りょうかい、そこのベンチで待ってて」
そう言うと、良平先輩は屋台の方へかけて行った。
(あとどれくらいで始まるんだろう。花火大会なんて久しぶりだ…)
男1「キミ、ねぇ、キミー」
「え、はい、なんですか？」
男1「そう、キミ。この辺でこれくらいの財布見なかった？」
「財布？いえ、見てませんけど」
男2「おいおいどうする？あれ免許書とかカードとか入ってたんだろ？」
男1「あぁ、実家に帰るための切符も入ってたんだけど」
男2「ほんとに知らない？」
「はい。すみません、私も来たばっかりで…」
男1「そっかー」
男2「あ、そうだキミ、一緒に探してくれない？」
男1「え、探すの手伝ってくれるの？」
「あ、いや……」
男2「花火上がるまで時間あるし、こいつも困ってるしさ」
男1「頼めないかな？人手が多い方が見つけやすいと思うし…」
「……あー、……わかりました。この辺なんですか？」
男1「そうだと思ったんだけど、もうちょっと奥かも」
男2「あっちの方かもな。探してみよう」
男性二人に連れられて来たのは、ずいぶん木々に囲まれた所。屋台の光が遠くに見える。
「今度はしっかりチェーンでもつけた方がいいですよ」
男1「そうだね、気をつけるよ〜」
「この辺ですか？あんまり人少ないですけど、ほんとにここ通ったんですか？」
男1「この辺の先に穴場があってさ」
男2「そうそう。人がいないから見つかりにくいんだよね〜」
「え、見つかりにくいって、前にも無くしたことあるんですか？」
男2「ん？あぁ、財布じゃなくって、人にさ」
「ひと？ ………ッ…！……なにす、…離し…」
男1「キミ、お人好しってよく言われない？」
男2「じゃなきゃとんだおバカだね」
男1「しぃー、静かにしてよ」
男2「べつに俺たち、乱暴したいわけじゃないしさ？」
「やめ……ッ…いたっ……ッ…っは……」
冷たい2つの視線が私に刺さる。掴まれたところが熱くなって、息が苦しい。
(…誰か、誰か…！………助けて…っ……！！！)
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ななき。(プロフ) - 春さん» こちらにもコメントありがとうございます！これからも気長にお付き合い下さい！ (2019年10月20日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 新作おめでとうございます！応援してます！(^-^)v (2019年10月20日 10時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2019年10月19日 21時
