蒼い一松模様 ページ35
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良「お、ほんとに来てる」
「なんですか冗談だったんですか。そっちが呼んどいて遅刻とはいいご身分ですね」
良「いやいや本気本気。割とマジで誘ったんだけど、ふつーにボイコットされると思ってた」
「私だって無視しようと思いましたけど、いい人に触発されたんですよ」
良「いい人?」
「オムライスにニコちゃんマーク書いちゃう強面おにーさんです」
良「……へぇ」
「それよりなんで呼んだんですか。まさか花火大会行こうとか言いませんよね」
良「お、勘がいいね。だいせいかーい!」
「最悪……」
良「どうせ予定なかったんでしょ。俺も人捕まんなくて困ってたのよ」
「私は何番目の本気だったんだか」
良「さ、いこいこ〜。時間は有限なんだから〜」
「ちょ、引っ張んないで……」
文字通り引きずられ、着いたのは花火会場……ではなく貸衣装屋さん。
良「んー、これか、これ。こっちもいいね。んー……」
「あの、良平先輩?なんなんですかこれ」
良「ん?だから取材に協力してもらってるんだけど。あ、あっちもいいね〜」
良平先輩は「悩む〜」と楽しそうに浴衣を選んでいる。
良「決めた。定員さーん」
あれよあれよという間に良平先輩が選んだ浴衣を着てしまった。
良「どう?サイズ合う?」
「サイズは、合っていますけど……」
いつまでも更衣室の中で閉じこもっている訳にもいかない。勢いでカーテンを開けると、いつの間にか着流しに着替えた良平先輩が立っていた。
「どうですか?………やっぱいい、何も言わないでください」
良「………」
「えっと、言わないでとは言いましたけどリアクションくらい…」
良「………ぁ、っと、ごめん、あんまりにも綺麗で、用意してたセリフ忘れちゃった」
「……は、はぁ?!」
良「めちゃくちゃ似合ってる、ちょー綺麗だよ」
「……な、なんですか、その取ってつけたみたいな褒め方。意味分からんし……」
良「はい笑ってー、チーズっと。んー、もう一枚お願いしまーす」
「も、もういいって良平さん……」
定員さんの生暖かい視線に耐えられなくなって、「ほら行きましょ」と良平先輩を急かし店を出た。
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ななき。(プロフ) - 春さん» こちらにもコメントありがとうございます!これからも気長にお付き合い下さい! (2019年10月20日 13時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 新作おめでとうございます!応援してます!(^-^)v (2019年10月20日 10時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年10月19日 21時