聞こえるはずもないのに ページ25
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合宿4日目、夜。
小さく瞬く星に波の音。どこからか虫の鳴き声も聞こえる。
良「りゅーせーぐん、見れそう？」
「いえ、どうやら一番来るのは明後日みたいですね」
良「………俺の登場、驚かなくなってきたねー」
「割と随分前から驚いてませんよ」
「もっと劇的にしてみようかなぁ……」なんて呟く良平先輩を無視し、望遠鏡を覗き込む。
(……せっかくの合宿だし、壮馬に見せてあげれたらいいんだけど)
『───あれがサソリ座、あっちが天秤座で、むこうがいるか座だね。あ、それであれが夏の大三角だよ』
良「……どうしたの？そんな難しい顔して」
「え？そんな顔してました？」
良「そりゃあもう。眉間に皺をぐーっと寄せてね」
「いや、流星群……壮馬に早く見せたいなって思っただけです。天気、良くなるといいんですけど」
良「……そうね〜、てるてる坊主でも作るかー」
「はい。みんなにも作ってもらおうかな」
優しげな声。懐かしい声。胸が締め付けられるような声。とっくに忘れたはずの熱がぶり返してしまいそうな声が、波に混じって、聞こえてきた気がした。
▪▪▪
合宿5日目、朝。集中力がそろそろ限界。
沙「あぁあー、あ"ァあぁあぁあぁーー」
「………どうした。ついに壊れたか、沙織」
沙「ついにってなんですかついにって……。
いや、明日でこの生活も終わりだと思うと、悲しさがこみ上げくるというかなんというか……」
ボランティアと合宿を含め、5泊6日。明日の早朝、ここを出ることになってる。
増「まぁ、なんだかんだ楽しかったですからねー」
早「いい思い出になりましたね〜」
碧「わ、わたしも、楽しかったです……」
浅「そうだろうそうだろう。僕の突発的な思いつきのおかげだね！」
津「ま、今回ばかりは、良かったんじゃねえの〜」
江「そうだな。今回ばかりは………」
全員─津「だれ？！？！」
津「おいおい、2年A組の担任、国語教師、そして生徒会の顧問の津田健次郎だよ。……俺ずっと居たんだけど、喋ってないだけで」
良「冗談ですよ〜。俺らが忘れるわけないじゃないですかぁ、津田せんせ？」
津「良平……宿題進んでるか？」
良「えぇ、もちろん。あとは読書感想文くらいですかね〜」
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ななき。(プロフ) - 春さん» こちらにもコメントありがとうございます！これからも気長にお付き合い下さい！ (2019年10月20日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 新作おめでとうございます！応援してます！(^-^)v (2019年10月20日 10時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2019年10月19日 21時
