検索窓
今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:26,452 hit

おせち料理の意味 ページ7

▪▪▪





順番にお風呂に入り、歯磨きをして、新品の服に着替える。それから重箱に入ったおせちを取り分けて『いただきます』と挨拶をする。




良「なぁ、奈々」

「なんですか?」

良「おせちの意味って知ってる?」

「知ってますよ。毎回社長が新年の挨拶で言ってるじゃないですか」

良「そうそう。なのに一向に覚えられないんだよね」

「そうですね〜。僕が覚えてるのは、『数の子は子孫繁栄』とか、『黒豆はマメに働く』とか、『伊達巻は知識が増える』とか、『栗きんとんはお金に困らない』とか、『ぶりは出世する』とかですかね」

良「あ〜、聞いたことあるかも」

「だいたいお酒が回って誰も聞いてない節ありますもんね」

良「今年も挨拶回んなきゃ行けないかなぁ……」

「ですね〜。たぶんそろそろ連絡が………」




<ブブッ>




「来ました」

良「はぁ……。じゃあまあ、これ食べたら行くか」

「ですね」




去年は引越し準備に追われて、少ししか顔を出すこともなかった事務所主催の新年会。確か、良平さんとおせちをつついて、それから初詣に行ったんだ。





社長「あら、奈々と良平じゃない。あけましておめでとう!」

「あけましておめでとうございます」

良「おめでとう。今年も何卒よろしく」

社長「えぇ、よろしく。………さて、琴子」

琴子「はい」

良「えぇ〜、今年もやるんですか〜?」

社長「もちろんよ。………良平は、デデン!執事ね」

良「うっわ、いちばん俺らしくないとこじゃん」




うちの事務所恒例の正月なりきり大会。くじを引いてそこに書かれてるお題をやらされるのだ。ちなみに拒否するとお年玉が貰えないプラス社長のありがたーいお話二時間コース。




社長「あ、奈々はこれを着たら免除よ」

「なんですかこれ」

社長「着てのお楽しみよぉ。琴子、任せたわね」

琴子「はい、かしこまりました社長」




渡された紙袋を受け取り、琴子さんに連れられて空室に入る。




琴子「どう?苦しくない?」

「苦しい」

琴子「食べすぎね。スイーツ控えなさい」

「今度は耳が痛くなってきた。……え、髪もやるの?」

琴子「もちろん。今日くらいは女の子らしい格好しなさい」

「………わかった」




着せられたのは三角柄の白と黒の着物。紅色のラインが目立つカジュアルな和服だ。髪は片方を三つ編みにして耳にかけ、装飾がされた金色のバレッタでとめられた。




「琴子さん。僕は、これから何をやればいいのかな……」

未来への切符→←木村良平という男



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
43人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ななき。(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます。 (2019年7月19日 20時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月19日 20時) (レス) id: 54cfb5026c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ななき。 | 作成日時:2019年7月19日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。