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ありがたい?お言葉 ページ43

猫「うむ、例えば人間関係。

数式みたいにビシッと答えがないから、人を信じるには時間がかかる。しかし、信じてもらうまで待っているなんてそっちも疲れる。だから〜、人間は疑う。待つよりは格段に楽だからなぁ」


「………つまり、なんでも疑ってかかれと?」

猫「そういうことだな。だって疑うってことは、『その人を信じてみたい』ってことだろ?」

「……そうとは、限らないんじゃないですか?」

猫「相手を信じてみたいがために疑う。相手のことを知りたいが故に距離を置く。好きになって欲しいから意地悪しちゃう。人間関係なんて、小学男子の恋みたいなもんだ」




先生は満足げに頷くと、ミルクたっぷりのコーヒーをズズズッとすすった。




「高校生の悩みを小学男子の恋と同じにしないでくださいよー」

猫「んー、じゃあ実験と一緒だ。まず、そのものに疑問を持つことが大切。
立ち止まって、考えて、疑って、調べて、相手を知して、受け入れて、そしてようやく問題になる。その答えを探すことで、相手のことがすこ〜し見えてくるよ」

「答えを探す?」

猫「そして新たな問題を見つける」




そう言うと椅子をくるっとターンさせてビシッと腰に手を当てた。




猫「人生とはぁー!問題と答えを探して回る脱出ゲーム系迷路……みたいなものである!」

「脱出ゲーム系迷路…ややこしい。……しかもみたいなって……」

猫「そんなもんだろ。人生一本道なんてそうそうねえし、何より面白くねえし。波乱万丈どんとこーい……てな?」

「………はぁ」

猫「なんだその気の抜けた返事はー。せっかく先生頑張ったのに。あーもー、こたつほしいー……」




ドヤ顔で決めたと思ったら、直ぐにいつものやる気ない顔に戻った。




「ヒーターに当たっといて何言ってるんですか……。……ちょっとよってください。僕も寒い……」




先生と同じようにヒーターの前にしゃがみこむ。

タバコの匂いと甘いコーヒー→←補習の時間



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ななき。(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます。 (2019年7月19日 20時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月19日 20時) (レス) id: 54cfb5026c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年7月19日 20時

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