自分への嘘 ページ41
「………」
浅「仲直り、再スタート、やり直し、どれも奈々ちゃんならきっと……、奈々ちゃんが想像することが出来たらきっと、出来ると思うよ?」
次なんて考えてなかった。考えられなかった。僕にはいつだって今しかなかった。
過去は苦しくて見てられない。未来は怖くて見られない。
僕は自分の目の前のことをやってるだけ。
星を眺めて手を伸ばして、太陽を見つめて手を引っ込めて、花を探して手を振って、月の手を取ることは出来なかった。
いつもそうだ。今回だってまた諦めて、途中で投げ出していた。
浅「何を悩んでるか知らないけどさ、自分に嘘をつき続けてるとすぐ心が壊れるよ。新しく始めることに不安がないなんてありえないんだから。誤魔化して苦しむくらいなら、いっそ不安にぶつかっていくしかないんだよ」
違う、変わるんだろ?素直になるんだろ?自分の理想になるんじゃなかったのかよ。いつまで悩んでんだ。
いつまで、いつまで、いつまで………
「ぼく、は……僕は、…変わりたい。……ずっと、変わりたかった………」
───こんな僕を、変えたかったはずなんだ。
浅「………うん、それでいいんじゃない?」
「………はい」
浅沼さんが教えてくれたひとつの正解。
良平さんが渡してくれたひとつの答え。
先輩や仲間に貰ったたくさんの勇気と光。
これで変われると、思う?
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ななき。(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます。 (2019年7月19日 20時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月19日 20時) (レス) id: 54cfb5026c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年7月19日 20時