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相も変わらずの笑顔で ページ23

「………その、心は?」


柚「高い壁ならそのまま思いっ切りぶつかって壊せばいい。頑丈な壁なら助走つけて飛び超えればいい。ハシゴを使ったって、ロープを投げたっていい。

障害を超える手段なんていくらでもあるから。ようは、今進んでいる道を歩き続けたいか、その先にある未来を見る努力をするか。可能性を捨てない。選択肢をせばめない。それが夢を現実にする第一歩」


「………かっけぇ」




柚くんはふっと笑う。




柚「なんて偉そうな事言ってるけど、好きな事を追いかけ続けるって勇気も覚悟もいるから、そう簡単には行かないよね。……奈々の場合、今まで散々走り続けてきたわけだし」

「……そんなこと、ないよ。誤魔化して、障害物のない道を選んできただけ。いらないものを、先に行ってどけてくれる人がそばにいただけ」

柚「失敗してもいいなんて言わないよ。君にはファンの前で恥をかけないって大きなプライドがあるからね」




息を吸って、また微笑んで、相も変わらずの笑顔で。




柚「だからおれから言えることはひとつ。迷ってもいいから諦めないで。好きなことを好きなだけするには好きでい続けること。辛いことがあっても、悔しいって思えるならまだ進める。
………その好きが嫌いになったんなら、それは君にとってそこまでの縁だったのかもしれないよ」

「迷ってもいいから、諦めない……?」

柚「まあ、おれもまだ勉強中、夢に向かってる途中ですから?一緒に頑張っていきましょうよ」

「夢、………ゆめを……」


柚「とにかく、おれ達は友達、それは変わらないことだから。きっと君がどんな選択をしても、おれ達は尊重するよ。だって君の道なんだもん。

……ただ、その先の道でたくさんの笑顔がある方を選んで欲しいとは思ってるかな。あと楽しいことを共有して、疲れた時には集まって愚痴れる。そんな関係でいたいよ、おれは」


「……うん、努力する」

柚「うん」




なんだか照れくさくて目をそらすと、椿さんと晶が戻ってきた。




椿「お待たせー。……って何話してたんだ?」

柚「んー?ちょっと真面目な話」

晶「へえ、柚くんって真面目な話できたんだ」

柚「君……、今完璧せんぱいをバカにしたなー。コンにゃろ、なーまーいーきー」

晶「いった、痛い痛い痛い、ぎぶッ!ギーブ!ごめんなさい!」

椿「まあまあ、そのへんにしとけーw」

ポラリス→←壁と霧の向こう側/※作者より【24】



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ななき。(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます。 (2019年7月19日 20時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月19日 20時) (レス) id: 54cfb5026c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年7月19日 20時

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