五月の星屑は金平糖【男性声優】11 (ページ14)

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カッコ悪いだろ…？ページ14

夕陽「『どうして裏切ったんだよ！なんで言わなかった！』」

「『……言えるわけないだろ？』」

夕陽「『俺達は仲間だったんじゃないのかよ』」

「『ああ、仲間だったさ』」

夕陽「『だったら何で……』」

「『お前達を見てたらさ、胸が痛くなるんだよ……。弱いままの俺を責められている気がして、どんどん先に行ってるお前らに置いていかれるのが怖くて……。

仲間なんだよ、ずっと友達だと思ってた。でもそんなお前らに嫉妬してるかもって思ったら、俺めちゃくちゃカッコ悪いなってさ』」

夕陽「『そんなこと……』」

かつての友人の言葉に驚き、一気に弱気になる主人公。僕は自分自身を攻めるように、自傷気味に続ける。

「『ダサいよな。本当俺って昔から弱いまんま。お前らに守られて、助けられて、いつも迷惑かけて……』」

夕陽「『だから何も言わずにどっか行ったのか。さよならも言わないでそっち側に行ったっていうのかよ。俺待ってるって言ったよな？ずっと……待ってたんだぞ……？』」

天才と言われた幼馴染への嫉妬。
選手として優秀だった友達への羨ましさ。
それに比べて何もかも上手くいかない自分への苛立ち。

「『ほら俺かっこ悪いからさ、待ってくれてるお前らの所まで行ける気がしなかったんだよね』」

夕陽「『もう戻ってくる気はないのか。もう一度やりな…』」

「『……それ以上はごめん言わないで。じゃないともっとみじめになる。友達裏切って、仲間見捨てて、なのに敵としてお前の前に現れてるだけでも最悪なのに……。

すげー阿呆な幼馴染って、迷惑かけて馬鹿じゃねーのって、もう二度と俺の前に現れんなって、そんくらい怒ってよ。なんなら一発殴ってくれてもいいからさ』」

道化師のように、下手な笑顔で両腕を広げる僕。そんな僕に静かに夕陽はつぶやく。

夕陽「『…阿呆な幼馴染、馬鹿な友達、最ッ低な仲間だったよ、お前は。言い訳もしねぇし、謝りにも来ねぇし、何考えてんのかわかんねえし。……だからもう待ってなんてやんねぇ。二度と戻ってこいなんて言わねぇ』」

「『……』」

夕陽「『さっさとお前んとこの学校に勝ってやる』」

「『……あぁ』」

夕陽「『そんで優勝して、全国行って、…全部終わったらもっかい俺と…友達になってくれよ』」

何も告げず裏切った仲間に、許されるなんて思っていない。むしろ貶されるくらいがちょうどいい。殴られれば罪悪感だって少しは消えるかもしれない。