五月の星屑は金平糖【男性声優】11

いつだってそばに…… ページ2

良「ただいま〜。………って、奈々？！………どうしたんだよ」

「………りょ、へい……さん……？どうして……」

良「あぁ、奈々ひとりじゃ寂しいかなー？って思って早めに家帰って挨拶してきたんだよ。…………奈々、どうかしたのか…？」

「………良平さん」

良「おいおい、どうした……」

「……いまだけ、今だけでいいから……だ、抱きついてもいいですか……？」

良「……ん、おいで」




困り眉の優しい顔。八重歯を見せる優しい声。初めて出会った時と変わらない。ずっとずっと変わらないでいてくれた………。




良「よしよし……大丈夫、俺は奈々のそばにいるよ。奈々はいいこいいこ。愚痴でも何でも吐き出してみなさいな」

「……………良平さん」

良「なあに？」

「頑張れって、……僕に『頑張れ』って言ってもらえませんか」

良「………」

「良平さんに頑張れって言われたら、僕絶対諦めないで最後までやるから。だから頑張れって……お願いします…良平さん……」

良「…………。………頑張れ、奈々頑張れ……！」




暖かい手のひらが僕の背中をポンポンと軽く叩く。

『大丈夫だよ、大丈夫だから』

そう言われてるようで、また涙がこぼれた。
ぎゅっと、強く、強く抱きしめられる。





何秒、何分、はたまた何時間たっただろう。
ゆっくりと体を話すと、下手な作り笑いで良平さんを見あげる。




「…………はい。僕、頑張ります。…ぁ、ありがとうございました」

良「………うん。……あ、もう食べた？」

「はい。安元さんに作って貰ったやつ」

良「いいなぁー。俺も食べたーい」

「じゃあ、取り分けますね。僕だけじゃ食べきれないと思ってた所だったので」




袖口でしょっぱい涙をふく。ガラスに移る自分の顔が笑えているか確認して、食器棚の扉を開けた。

これが、僕の、僕たちの形だ………。

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