《Another story》─�� ページ40
最初は借りてきた猫のように大人しかったクロちゃんも、次第にAさんに懐き、俺のことも兄のように慕ってくれた。
女の子同士で気が合うのか、Aさんは前にも増してよく笑うようになった。
その事に『うれしい』と思う自分が信じられなくて、でも案外悪くないなとも思った。
友達を足枷だと思い込み作らずに生きてきた人生。両親ですらマネージャーとタレントとして接していたあの頃。
自分で言うのもなんだけど、人間らしくなったと思う。
ほどなくして、晶さん……Aさんのお父さんが来て、クロちゃんに芝居をさせたことがあった。クロちゃんはもともと劇団に入ってたこともあって、アキラさんをあっと言わせた。
晶さんはすぐにクロちゃんを養子にした。
クロちゃんは複雑そうな顔をしていたけれど、「これでほんとに家族ね？」と微笑んだAさんの胸で泣き、また芝居ができることを喜んだ。
…………だけど、それからしばらくして、ふたりが同時に帰ってきた。
結「天月、やっと準備が整ったわ。ニューヨークに行きましょう」
天「え……」
晶「音子、映画主演を持ってきたよ。一緒にロンドン行こう」
猫「……映画主演？」
結「なあにその顔。やっと音楽留学ができるのよ？勉強したいって言ってたじゃない」
晶「主役じゃないけど、これで良かったら次回作のヒロインにしてくれるらしい。きっと君のチャンスになる」
いつ飛ぶのかと聞くと、「直ぐに」と答えたふたり。
これは大きなチャンスだ。ずっと待ってた絶好の機会だ。
………でも。
俺たちはゆっくりと後ろを振り返った。
Aさんは、手を後ろに回して、にこっと笑っていた。
「おめでとう。これでふたりとも夢が叶う」
天「………Aさん」
猫「お嬢……」
結「ほら、早くして。服は向こうで買えばいいわよね。とりあえず必要なものは向こうで揃えるから、持っていくものならトランクひとつにしてちょうだい」
天「………はい」
晶「音子もほら急いで。すぐに日本を発たないと収録に間に合わない」
猫「分かりました……」
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ななき。(プロフ) - Noel*26さん» 見つけてくれてありがとうございます！！タイトルについては後で解説？するつもりですwこれからもよろしくです！ (2020年1月21日 21時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - ちょっと待って好き過ぎる。高評価お気に入り登録失礼します、更新頑張ってください（ ＾ω＾）（和訳タイトルが運命の年の少女だと思った私を殴りたい） (2020年1月21日 0時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2019年12月29日 17時
