呼び方 ページ4
「なあなあ能見」
『ん、どうしたの虎杖くん』
今は昼放課。
教室にはおれと虎杖くんと伏黒。
伏黒は静かに本を読んでいた。
座っていたおれのところに来た虎杖くんの一言で、その話題は始まった。
「呼び方変えねぇ?」
首を少し傾げながらそう言った彼。
おれは呼び方?と鸚鵡返しした。
何か問題があっただろうか。
もしかして苗字が好きじゃないから嫌だったとか?
「そう。呼び方。これからずっと一緒な訳だし、もう充分お互いのこと好きだろ?」
虎杖くんは、だからAって呼んでもい?なんて眉を下げて微笑む。
おれの方の話だったのか。
いや、願ったり叶ったりなのだが。
というか、もう充分好きって…!
うっ…心臓発作が起きそう。
初対面ではくん付けだったのがいつの間にか呼び捨てになっただけでも嬉しかったのに、親しい呼び方ナンバーワン(おれ調べ)の下の名前呼び捨てまでこんなに早くいってしまうとは。
改めて彼のコミュニケーション能力の高さを確認した。
断る理由が微塵もなかったので首を勢い良く縦に振る。
こんなにヘドバンすることは無かったのだが、これ以上虎杖くんを直視し続けたら内臓が爆発する。
一刻も早く視界をぼやけさせねばという気持ち故の行動だった。
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作者名:月裏 餅 | 作成日時:2022年3月3日 13時