〈6〉仕事 ページ6
Aちゃんにはソファで待っていて貰う。
「社長。」
「というわけで、事務員決定。」
『どういう訳ですか。』
首を傾げて溜め息を吐いてる姿すら絵になるなぁ。
「太宰が推薦した者とは。」
「此方です、社長。」
スッと立ち上がって正しく礼をしたAちゃん。
『名瀬Aといいます。突然、申し訳ありませんでした。出来ることなら働かせていただけませんか?アルバイトで構いません。』
勧誘したのは私だ。
まさか、こんな風に言うなんて思わなかった。
これではAちゃんが私に無理を言って、社長に話をしに行った形になってしまう。
「社長、彼女は・・・」
「ふむ。では採用にする。」
『ありがとうございます。』
一つ頷き、部屋へと戻られた。
恐らく私が勝手に推薦したことも判っているだろう。
「これでAちゃんと同じ職場だね。」
『仕事を紹介して頂きありがとうございます。』
まさかお礼を云われるとは。
「名瀬さん、いいんですか?」
怪訝そうな顔でAちゃんに確認する敦君。
『仕事を探したかったので助かりました。ただ、シャボン玉が現れた時にご迷惑をお掛けしてしまうかもしれません。』
「それなら大丈夫ですよ。シャボン玉なんて可愛いじゃないですか。」
『ありがとうございます。』
あ・・・笑った。
「狡い敦君!Aちゃんに仕事を紹介したのは私なのに!」
その時、目の前には3つのシャボン玉。
「あ、シャボン玉!」
勿論シャボン玉を吹いている者などいない。
『出ましたね。』
「3つですね。」
天井近くまで上がって消えた。
「普通のシャボン玉なんだね。」
『そうなんです。』
爆発したりするわけではない。
ただのシャボン玉。
『依頼・・・』
「働いていても、シャボン玉の件は継続するから安心していいよ。」
『そうですか、ありがとうございます。』
笑ってくれた。
シャボン玉が幾つか視界に入った。
「太宰!この書類の山をどうにかせんか!」
「彼は国木田君だよ。」
遠くで怒ってる国木田君を教えれば頭を下げたAちゃん。
『よろしくお願いします。』
「社長との話は聞いていた。国木田独歩だ。太宰!貴様は仕事をしろ!」
『あの山は何ですか。』
書類の山を指すAちゃん。
「あれは太宰がサボっていたツケだ。」
『へー、そーなんですかー。』
「あ、今駄目な人だと思ったでしょ。」
頷かないで。
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月宮 柚妃(プロフ) - すずらんさん» バタバタしていただけたなんて・・・さらに幸せな作品なんて言って下さり、感激の涙が止まりません!ありがとうございました!次回作もぜひ、よろしくお願い致します(*^^*) (2017年10月15日 20時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - 最後まで胸がキュンキュンしました!←ベットの上でクッション持ってバタバタするぐらいです(笑)更新お疲れ様でした!最高の作品が見れて幸せです(*^ω^*)次回作も楽しみにしています! (2017年10月15日 18時) (レス) id: a0b4b6ea5a (このIDを非表示/違反報告)
月宮 柚妃(プロフ) - すずらんさん» コメントありがとうございます!そんな嬉しいことを言って頂けるなんて・・・がんばれます!楽しみにしていただけるなんて・・・(T_T)これからもよろしくお願い致します(*^^*) (2017年10月9日 19時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - 新しく更新された作品を見るのが毎日の楽しみです!最後まで更新頑張って下さい!応援しています(*^▽^*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: a0b4b6ea5a (このIDを非表示/違反報告)
月宮 柚妃(プロフ) - 味の素さん» 嬉しいです!ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します(*^^*) (2017年10月1日 21時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年9月24日 10時