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〈24〉判明 ページ24

仕事が終わった。


やる気になった太宰さんは相変わらず仕事が早い。


1時間前には終わっていたと思う。


終業時間になった瞬間に、


「さて、行こうかAちゃん。」


にっこりと私の前に立っている。


『お疲れ様でした。』


皆さんに挨拶をして、扉を開ければ後ろから痛いほどの視線が。


言いたいことは分かります。


いつも断ってきた私が太宰さんと一緒に出るなんて。


『お先に失礼します。』


私が出た後に、乱歩さん以外の皆が大騒ぎしていたらしい。


「飲みながらする話でもないし、川辺はどうかな?」


『入水は嫌です。』


確かに飲みながらする話ではない。


『私に自 殺嗜好はありません。』


「知っているよ。この時間は良い景色になっている頃だから、シャボン玉も綺麗に見えるよ。」


シャボン玉が現れること前提なんだ。


『では、行きましょう。』








連れてこられた川辺は


『わぁ。』


夕日に照らされて、水面がキラキラしている。


川の色は橙色に染まっていて、とっても綺麗。


「どうかな?」


『綺麗ですね。』


太宰さんが言っていた通り、シャボン玉が現れてとても幻想的な景色になっている。


太宰さんが土手に腰を下ろしたので、私も一人分くらいの距離を開けて腰を下ろした。


「仕事も慣れたようだね。」


『お陰様で。』


紹介してもらってから月日も経った。


「では、シャボン玉の件だね。」


知りたかった正体。


「それはね、Aちゃんの異能力だよ。」


『え・・・?』


異能力?


私の?


『私にそんな力あるんですか?』


「うん。Aちゃんが居る所でないと現れないでしょ。制御出来ていないのだよ。」


私、異能力なんてあったんだ。


「恐らくAちゃんの感情が強くなった時に現れている。」


『感情・・・。』


思い出してみれば、初めてシャボン玉を見たときは気分が良くて、鼻歌なんかも歌っていた。


怒ったり、気分が良くない時に現れたり。


・・・ちょっと待った。


『それ、いつから判ってたんですか?』


「んー?」


いやいや、そんなに良い笑顔を向けられても。


『まさか・・・はじめから判ってたんじゃ・・・』


「はじめからではないけれど、まぁ早い段階では分かったかなー。」


『笑顔で何を言ってるんです!?早く教えてくれればいいじゃないですか!それ、私すっごく恥ずかしいじゃないですか!』


そのにこやかな笑顔に殺意が湧いたのは気のせいではないと思う。

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月宮 柚妃(プロフ) - すずらんさん» バタバタしていただけたなんて・・・さらに幸せな作品なんて言って下さり、感激の涙が止まりません!ありがとうございました!次回作もぜひ、よろしくお願い致します(*^^*) (2017年10月15日 20時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - 最後まで胸がキュンキュンしました!←ベットの上でクッション持ってバタバタするぐらいです(笑)更新お疲れ様でした!最高の作品が見れて幸せです(*^ω^*)次回作も楽しみにしています! (2017年10月15日 18時) (レス) id: a0b4b6ea5a (このIDを非表示/違反報告)
月宮 柚妃(プロフ) - すずらんさん» コメントありがとうございます!そんな嬉しいことを言って頂けるなんて・・・がんばれます!楽しみにしていただけるなんて・・・(T_T)これからもよろしくお願い致します(*^^*) (2017年10月9日 19時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - 新しく更新された作品を見るのが毎日の楽しみです!最後まで更新頑張って下さい!応援しています(*^▽^*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: a0b4b6ea5a (このIDを非表示/違反報告)
月宮 柚妃(プロフ) - 味の素さん» 嬉しいです!ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します(*^^*) (2017年10月1日 21時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年9月24日 10時

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