【文スト】●探偵部●

〈5〉 ページ6

『はー。今日も授業とか嫌だなー。』


「手前は毎日それだな。」


「溜め息吐くと、幸せ逃げるよ。」


朝ってこれだから憂鬱。


授業という地獄の6時間が待っている。


体育は好きだけど。


朝のこの時間とか休み時間とか、部活とか授業意外の時間は大好き。


勉強は本当に大っ嫌いだけど。


「おはよう！」


『おはよう！』


昇降口で何人かに挨拶を返していると


「おはようございます。」


『わぁ！！！』


後ろから私を覗き込むように、爽やかな笑顔が目の前に。


『お、おはよう、水谷君。』


「行くよ、A。」


『う、うん。』


治に腕を引かれて、足が縺れたが


「さっさと歩けよ。」


『えー。』


背中を中也に押されて態勢は元に戻った。


あー、びっくりした。


教室までの間も、いつも通り皆に声を掛けられる私達は挨拶をしてクラスに着く。


「なンだ、彼奴。」


「昨日のだね。」


『そうだね。』


私の席の後ろの席を借りる治に、隣の机に腰を置く中也。


もちろん、聞かれたのは昨日のことで、結局全部話した。


「質が悪そうだな。」


「確かにAでは口で勝てなそうだね。」


『まぁ断ってあるし、挨拶くらいなら何にも問題ないし。』


何故か珍しく目を合わせる2人。


雨でも降るかな。


「おはよう。昨日の小テスト返すよ。」


にこやかな担任に腹が経つ。


「次、高月君。」


『はーい。』


受けとれば其処には赤で


《もう少し頑張って》


の文字と


36点の数字。


『はいはい。』


「いや、高月君？そろそろ大変になるからね？」


『・・・はーい。森先生嫌いになりそう。』


「そ、それは無いよー！」


叫んでるけど放っておこう。


こんな感じで勉強嫌いな私は、昼休みを目標に午前中は過ごす。


キーンコーンカーンコーン・・・


『お昼だー！！！』


嬉しい！


「購買行くか？」


『二色丼！』


「今日は丼なんだね。」


私達の教室は3階、購買は1階。


行くまでの間にいつも混み始めている。


中也より背の低い私には中々の勝負。


『本当、こういう時は身長欲しいよね、中也。』


「俺を一緒にするな！手前より身長あるわ！」


「はい、A。」


渡されたのは目的の二色丼。


『ありがとう！』


治は背が高いからいつも取ってくれて助かる。

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