【文スト】●探偵部●

〈35〉 ページ36

と、いうわけで。


現在、放課後の揺れるポケットの中。


作戦なんて至ってシンプル。


晴菜ちゃんを尾行するしかないし！


中也から分かる程度に離れて治がいる。


『中也のポケットの揺れ気持ち良い。お昼寝する時、今度入れてね。』


「好きにしろよ。」


あー、昔から変わらないなぁ。


中也のこの優しい笑顔。


好きにしろよって、その言葉は中也のオッケーって合図。


そういえば・・・こうやって下から中也の顔見ることってなかなか無いよね。


「・・・ンなに見るなよ。」


『え、バレてた？』


一回もこっち見てないよね。


「視線が五月蠅ぇ。」


視線が五月蠅いって何。


視線に音でも出てるわけ。


「阿呆なこと考えてねぇで、ちゃんと隠れとけよ。」


だから、何で言葉にしてないのに分かるの。


「顔に書いてあるからだ。」


もう私、喋らなくても会話成り立つんじゃないの。


「アレだな。」


中也の視線の先には黒いスーツを着た柄の悪い2人組。


小さな可愛い声も少し聞こえる。


「分かりやすいことしてンな。」


中也はそっちを見ることなく、その2人組が貼り付いている家を何事もなかったかのように通り過ぎる。


私は見つからないように、その家の前で必死に何かを訴えている晴菜ちゃんを確認する。


勿論、会話は中也と治にも聞こえる。


「帰ってください！お願いします！」


「お母さん出してくれれば済むんだよ。それともお前が来るか？」


取り立てだ。


聞いている感じ、初めてではない。


「やめて、帰ってください！！」


急に辺りが暗くなり、雷が鳴った。


「・・・まさかとは思うが、これはお前の仕業なのか？」


「毎回、天気が変わりやがって。もし、そうだとしたら、お前一人で十分だ。」


まずい。


晴菜ちゃんがターゲットにされちゃう。


どうしよ・・・


「そこの帽子の小さい人ー！何やったんですか？警察の人があなたを探してましたよ？」


「ア゛？」


「うわぁこわぁい。いかにもって感じだね〜。」


何て言いながら、治が小走りに寄ってきた。


「チッ。明日、お前を迎えに来る。そうしたら母親は見逃してやるよ。」


笑いながら男たちはいなくなった。


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お久しぶりです。

更新遅く&不定期でごめんなさい。

現実は忙しく・・・。

作品のことを忘れてはいません！

ゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願い致します。

2018.1.11 月宮柚妃

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