〈27〉 ページ28
これだから嫌だったんだよね。
自分に言い聞かせるみたいで。
「だから諦めろ。それともまだ付き纏うのかよ。」
中也はあぁ言うけれど
「そんな簡単に諦められる気持ちじゃないんで。」
だろうね。
こんな奴の気持ちは判りたくはないが、判ってしまうのが嫌で仕方がない。
「では、Aに最後に聞いてみてはどうかな?」
これは私達が言っても訊かない。
だがAの言葉なら訊くだろう。
『何々?乱歩先輩がそろそろだって。』
「私達に出来ることはやったよ。」
『そっかぁ・・・。』
皆頑張ってくれた。
『水谷君。』
「はい。」
いつも通りの彼。
『言ったよね。私が水谷君を好きになることはないって。』
「だから、これから先は分からないって言いましたよね、俺。」
そう言われた。
『分かってるよ。だって決まってるんだから。』
「は?」
『私が好きになるのは水谷君を除いた、此処の皆だって決めてるから。』
好きとかそんな気持ち、私にはまだ分からない。
「この中から選ぶってことですか?」
『選ぶとかそんな偉い立場じゃない。だけど上手く言えない私は、そう言うしか伝え方が分からない。』
「何で・・・」
そんなの決まってるじゃん。
『私のことを想ってくれて、大事にしてくれてる。だから、私が将来好きになるのは皆の中の誰か。一方通行にただ想いをぶつけてくるしか出来ない人を好きになることなんてない。』
「そんなこと・・・先輩たちが知ったら」
周りを見回してるけど、何か?
『知ったらも何も』
「全員承知済みだよ。」
今さらって話。
否、とんでもないこと言ってる私が言えることじゃないけど。
「だってそもそも、Aは恋愛とかどうでもいいみたいだし。」
「A先輩から可能性があるってだけで僕は十分です。」
「仲間に変わりはないからな。」
目を見開かれても。
「先輩たち、よく平気でいられますね。」
「所詮、手前の気持ちはその程度だってことだ。」
『さて、水谷君。』
こんなに胸がざわついたのは何時振りだっけ。
感情も何も込めないでただ言葉を口から出した。
『水谷君を好きになることはありません。お断りします。』
顔を歪めて去って行った。
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月宮 柚妃(プロフ) - チョコレートさん» こんな駄作者の駄文をそう言って頂けるなんて・・・涙が止まりません(>_<)嬉しいです!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年9月29日 22時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - いつも楽しませて貰ってます!!このお話大好きです!!シリーズ化頑張って下さい!!これからも応援しております!! (2017年9月29日 22時) (レス) id: 66cc8ffaf1 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 柚妃(プロフ) - 赤珠(元 チョコうさ。)さん» コメントありがとうございます!学園シリーズで検討したいと思います!ありがとうございます(*^^*) (2017年9月28日 7時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(元 チョコうさ。)(プロフ) - 月宮 柚妃さん» 一度オチを付けるか付けないかして、そのまま学園シリーズというのは如何ですか? (2017年9月28日 6時) (レス) id: 5fa7fae13e (このIDを非表示/違反報告)
月宮 柚妃(プロフ) - hinatabokkosunnさん» ありがとうございます!楽しみにしていただけて嬉しいです!更新をお待ち下さい(*^^*) (2017年9月24日 12時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年9月22日 13時