〈16〉 ページ17
「そろそろ気持ち変わりましたか?」
『好きかどうかって話なら、変わらないよ。何度でも言う、私は水谷君とは付き合えない。好きにもならない。』
はじめから言っていることだもん。
何回聞かれても同じ答えしか有り得ない。
「んー。」
ニコニコと手摺に肘を付いて笑っているのは、普通にみたら爽やかなイケメンなんだろうけど。
「俺、A先輩と毎日会ってるし距離縮んだと思ってるんですけど。」
『残念、変わってないよ。』
「後悔させませんから。好きです、誰よりも。」
『ごめんなさい、気持ちには答えられない。』
一体何時までこのおんなじやり取りをしなければいけないのか。
「実力行使ってのはどうでしょうか。」
『ん?』
何か物騒なことが聞こえてきたけど。
「まぁ、まだ諦めないのと、俺と付き合わないと後悔しますよ。気持ちが変わったらいつでも言って下さい。」
何なの?
最後は目が笑っていなかった・・・何かしてくる?
まっ、そんな柔じゃないから私。
そうしてベランダから居なくなった水谷君の言っていたことが分かるのは数日後のことだった。
国木田の鞄が無くなり、
与謝野先輩の靴が無くなり、
賢治君は階段から突き飛ばされて、
敦君は体育中に突き飛ばされて軽い怪我、
ここ数日の間に探偵部の部員が被害なかにあっている。
もう我慢出来ない。
『ちょっと言ってくる・・・』
「おいっ待てって・・・!」
中也の声が聞こえたが、そんなの待ってられない。
「今のA先輩・・・ですか?」
「別人・・・」
「敦と鏡花は初めてか、Aがキレたの見るのは。あぁなるとねェ・・・私らじゃどうしようも出来ないンだよ。」
青くなった敦と、その影に隠れた鏡花は与謝野の説明を聞いた。
『水谷君呼んでくれるかな。』
「は、はい!」
教室の入口に居た子に声を掛ければ直ぐに呼んで来てくれた。
「どうしましたか?」
『話があるの。』
水谷君の手首を掴んで、今の時間使われていない教室へと入り扉を閉めた。
校内は部活時間になっている為、人は少ない。
手を離せば残念そうに
「大胆で良かったのに。今日は珍しく1人ですね。」
『涼しい顔して幼稚なことしてくれたね。』
「先に言っておきましたが。」
腹が立つ。
「先輩が悪いんですよ。」
『私は水谷君が好き。付き合う。だから、探偵部の皆にはなにもしないで。』
「ははっ!」
満足気に笑った水谷君。
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月宮 柚妃(プロフ) - チョコレートさん» こんな駄作者の駄文をそう言って頂けるなんて・・・涙が止まりません(>_<)嬉しいです!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年9月29日 22時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - いつも楽しませて貰ってます!!このお話大好きです!!シリーズ化頑張って下さい!!これからも応援しております!! (2017年9月29日 22時) (レス) id: 66cc8ffaf1 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 柚妃(プロフ) - 赤珠(元 チョコうさ。)さん» コメントありがとうございます!学園シリーズで検討したいと思います!ありがとうございます(*^^*) (2017年9月28日 7時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(元 チョコうさ。)(プロフ) - 月宮 柚妃さん» 一度オチを付けるか付けないかして、そのまま学園シリーズというのは如何ですか? (2017年9月28日 6時) (レス) id: 5fa7fae13e (このIDを非表示/違反報告)
月宮 柚妃(プロフ) - hinatabokkosunnさん» ありがとうございます!楽しみにしていただけて嬉しいです!更新をお待ち下さい(*^^*) (2017年9月24日 12時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年9月22日 13時