【文スト】●探偵部●

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キーンコーンカーンコーン・・・


『はぁ〜。』


机に顔を付けて、窓際の一番前という私の席から外を眺める。


やっと今日の授業が終わり安堵の溜め息が零れる。


回収されていく忌ま忌ましい小テスト。


「出来たかい？」


『終わった、色んな意味で。治はどうせ100点でしょ。』


「ふふふ。」


この笑いは肯定だ。


「また駄目だったのかよ、莫迦A。」


『五月蠅いなぁ。100点取ってから言ってよ中也。』


何で幼馴染2人揃って勉強出来るんだか・・・。


治は常に満点だし、中也は90点以上だし。


私は・・・勉強に興味がない。


『まぁ、いいや。』


「良くないよ、高月君。」


『ヒッ！』


目の前にいつの間にか立っていたのは、小テストの主宰者で担任の森先生。


「あと2つ、危ない点数だったとしたら、課題を出さざるを得ないからね。」


『うわぁ〜。』


苦笑して去って行った先生はテスト達を持って教室から出て行った。


「難しいことなんて無いと思うのだけど。」


『はいはい、頭良い人には分からないですよー。』


「いじけンなよ。」


全く。


顔が良くて頭が良くて、何なのこの2人。


私は顔は、普通だと思う。


この2人と部活の皆はベタ褒めしてくれるけど。


頭は残念。


全く勉強が出来ない。


『今日は取り合えず終わり！部室行こう！』


クラスの友達に挨拶をして、別の棟の最上階、奥の私達の部室。


【探偵部】


学校内のことは勿論、依頼があれば市警にも協力する。


私達は異能力者で事件に挑んでいる。


『やっぱり学校と云えばココだよねー！』


「お疲れー。」


『与謝野先輩！聞いてください、また小テストあったんですよー。』


抱き着けば優しく頭を撫でてくれる。


「そりゃ災難だったね。」


『最悪でした。』


離れて棚からお茶菓子を出す。


今日は甘い気分だから、棒つきキャンディー。


「一番早く来た者はポストを確認してから入れと言っているだろう。」


『はーい。』


国木田が手に持っているのは、部室の前に置いてある鍵付ポストに入っていたであろう手紙。


依頼者が依頼者だとバレたくない、依頼者が不明でも解決出来る、して欲しいこと等、とにかく、内密に頼みたい依頼はポストに入れられるようになっている。


「中原2通、太宰2通、高月3通、乱歩さん1通。依頼無し。このポストを何だと思っている。」


この数は、所謂、恋文だ。


依頼より多い。

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