【文スト】●益者三友●【双黒・中也】 (ページ19)

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飛び出して行ったAちゃんの行き先など、簡単に推測出来る。

私が行ってもいいのだけれど・・・最適解ではない。

彼女は今、人に敏感になっている。

単純に話が出来る人物でないときっと壊れてしまうだろう。

私の知っている莫迦は1人しか居ない。

携帯電話を取り出し、かけると3コールで出た。

「―――――――――。」

「やぁやぁ。今から君達が普段使っている隣の訓練場に行くといいよ。」

「――――――――――――――――――。」

「蓋を開けたからね。」

「―――――――――――――――！！！」

これで良いだろう。

予測通りなら、何もかも済む筈だ。

鳴った電話の表示を見て舌打ちをした。

出たくないが仕事の話だったら困るから仕方なく出た。

「ンだよ。」

「―――――――――――――――――――――――。」

「彼処は今日の使用予定は無ぇぞ。ンなとこに何があンだよ。」

「――――――――――――――――。」

「いきなりかよっ、早く言え青鯖！！！」

通話を切り、走って訓練場へ向かった。

Aが目を覚ました時に太宰は言っていた。

「無意識に我々を警戒し疑っている。しかも、それを自分で否定し続けている。順応しようと必死なのは、嫌われたくない、居場所を無くしたく無いのだろう。」

「彼奴の今までのことを考えれば当然だな。人を疑うなっつー方が無理だろ。」

「自分に蓋をして、必死に隠しているようだけれどね。」

何処か違和感はあった。

Aが笑った時、どこか可笑しいと思うことがあったが、それが原因か。

「何か問題あるか。」

「矢張り莫迦だね。」

「アァ？」

一々腹が立つな。

「このままなら精神が壊れるだろうね。」

「なら、どうすンだよ。」

壊すわけにいかねぇだろ。

ポートマフィアの仲間だぞ。

「蓋を開けて、本心と自覚させるしかない。人間は本心と向き合わないなんて矛盾には耐えられない。まぁ、本心を自覚していて隠しているなら別だけれど。」

「彼奴は本心から逃げてるってのか。」

「もう既に壊れる兆候は出ているよ。任務中の冷静さ。端から見れば優秀だけどね。」

確かに表にいた人間が人を殺すなんて、普通は耐えられないだろう。

「ただ、蓋を開ける時と対応を間違えれば、完全に壊れてしまうだろうね。」

いつ開けるかも、どう対処するかも聞いても答えなかった。